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ICI療法によるED治療の効果・費用・クリニック選びを医学的に解説
2026.10.17
EDの治療選択肢:第一選択から第二選択へ

勃起不全(ED)の原因は「心因性」「器質性(血管・神経・内分泌の障害)」「混合性」に大別される。原因によって有効な治療が異なるため、まず自分のEDがどのタイプかを知ることが診断の出発点になる。
日本性機能学会と日本泌尿器科学会が2025年9月に発行した『男性性機能障害診療ガイドライン2025年版』では、EDの治療を段階ごとに整理している。第一選択としてPDE5阻害薬(バイアグラ・レビトラ・シアリスなど)が推奨され、これが効果不十分または使用できない場合は第二選択として陰茎海綿体注射(ICI療法)・低強度体外衝撃波治療・陰圧式勃起補助具・テストステロン補充療法が挙げられている。さらに第三選択として陰茎プロステーシス手術が位置づけられている。
つまり、ICI療法は「最後の手段」ではなく、ガイドラインに明記された確立した選択肢だ。経口薬で成果が出ない方が次に知っておきたい治療として、本記事で詳しく解説する。
ICI療法(陰茎海綿体注射)とは

治療の基本的な仕組み
ICI療法(Intracavernous Injection)は、陰茎の海綿体に薬剤を直接注射することで勃起を促す治療だ。主に使用される薬剤はプロスタグランジンE1(PGE1)製剤で、商品名「カベルジェクト」などが知られている。
薬剤が陰茎の血管平滑筋に直接作用し、海綿体内の血流を増加させる。注射後はおよそ5〜15分で効果が現れ、個人差はあるが60〜120分程度持続する。PDE5阻害薬と決定的に異なるのは、性的刺激がなくても勃起が起こる点だ。
PDE5阻害薬(経口ED薬)との違い
バイアグラなどのPDE5阻害薬は、性的興奮に伴って分泌される一酸化窒素(NO)が引き起こす血管拡張を増強する仕組みで機能する。性的刺激・神経伝達・血管内皮の働きがある程度保たれていることが前提になる。
ICI療法では薬剤が海綿体平滑筋に直接作用するため、神経経路や血管内皮の状態に左右されにくい。糖尿病性神経障害や前立腺がん根治術後など、神経・血管が損傷している状態でも効果が期待できる理由はここにある。
| PDE5阻害薬(経口薬) | ICI療法(陰茎海綿体注射) | |
|---|---|---|
| 投与方法 | 内服 | 陰茎海綿体への自己注射 |
| 効果の前提条件 | 性的刺激が必要 | 性的刺激がなくても作用 |
| 主な適応 | 軽〜中等度の機能性・混合性ED | 重症器質性ED・内服薬が使えない方 |
| 主な薬剤 | シルデナフィル・タダラフィル等 | プロスタグランジンE1(PGE1)製剤 |
| 国内承認・保険 | 国内承認あり(ED目的は自由診療) | ED目的での国内承認なし・自由診療 |
ED薬が効かない場合の治療選択肢:ICI療法について

PDE5阻害薬を適切な方法・用量で服用しても十分な効果が得られないとき、次の選択肢として検討されるのがICI療法だ。
ICI療法(陰茎海綿体注射)は、プロスタグランジンE1製剤を陰茎海綿体に直接注射して勃起を促す治療で、経口薬とはまったく異なる作用経路で機能する。糖尿病・脊髄損傷・前立腺がんや膀胱がんの術後など、血管や神経が損傷しているケースでも効果が期待できる場合があり、ガイドラインでも第二選択として確立されている。また、心疾患でニトログリセリン系薬剤を使用中のためPDE5阻害薬が禁忌となっている場合でも、担当医の判断のもとで検討できる可能性がある。
治療は、医師の指導のもとで自己注射の手技を習得し、性行為の前に自分で注射する形式で行う。「注射」と聞くと不安を感じる方もいるが、使用する針は非常に細く、帝京大学泌尿器科アンドロロジー診療チームによると、手技習得後は自宅での実施が可能とされている。
ICI療法の薬剤選択・手技詳細・クリニック選びのポイントについては、ICI療法(陰茎海綿体注射)の効果・費用・クリニック選びを解説の記事も参考にしてほしい。
なお、PGE1製剤はED治療目的での日本国内承認がないため、ICI療法は自由診療として実施される。日本性機能学会認定専門医のいる医療機関で受けることが安全面から必要だ。BIOTOPE CLINIC 白金(東京都港区白金/苅部 淳医師・日本形成外科学会形成外科専門医)でもICI療法についてのご相談に対応している。
適応と向かない方

ICI療法が検討されることが多い方
- PDE5阻害薬(バイアグラ・レビトラ・シアリス等)を試したが効果が不十分だった
- 心疾患でニトログリセリン系薬剤を服用中で、PDE5阻害薬との併用が禁忌となっている
- 糖尿病性神経障害に伴うED
- 前立腺がん・膀胱がんの根治術後(神経温存の有無を問わず)
- 脊髄損傷などの神経性ED
向かない可能性がある方
- 抗凝固薬(ワーファリン等)を服用中で出血リスクの管理が難しい方
- ペイロニー病など、陰茎に解剖学的異常のある方
- 持続勃起症の既往がある方
- 自己注射の手技習得・継続が困難な状況の方
適応の可否は個人の健康状態によって異なるため、専門医の診察で確認することが前提になる。
ICI療法の副作用と注意事項

局所疼痛と海綿体線維化
最も頻度が高い副作用は注射部位の局所疼痛だ。帝京大学泌尿器科アンドロロジー診療チームが示す一般的報告では、局所疼痛は約5%に認められている。
長期間繰り返し注射することで、海綿体の線維化(硬結)が起こる場合がある。注射部位・手技の正確さが線維化リスクと関係するため、初回の指導を丁寧に受け、自己流に変えないことが予防につながる。
最重要の副作用:持続勃起症(プリアピズム)
ICI療法で最も注意が必要な副作用が「持続勃起症(プリアピズム)」だ。4時間以上、性的興奮と関係なく勃起が持続する状態で、放置すると海綿体組織が酸素不足に陥り壊死するリスクがある。
帝京大学泌尿器科の実績データによると、6時間以上の持続勃起症は0.52%に認められている。頻度は低いが、発生した場合には緊急受診が必要だ。治療を始める前に「4時間以上続いたらどこに連絡するか」「どの医療機関を受診するか」を必ず医師から確認しておきたい。
その他の副作用
まれに、注射後の血圧変動(めまい・顔面紅潮)が報告されることもある。初回はクリニックで実施し、経過を観察することが安全対策になる。
ICI療法の費用の目安

ICI療法はED治療目的での国内承認がないため、すべて自由診療となる。費用構成はクリニックによって異なり、初診料・検査料・薬剤費・手技指導料が別立てになっている場合とセット料金になっている場合がある。
確認できた参考価格として、帝京大学泌尿器科と連携するクリニックでは薬剤1回分が税込5,500円と案内されている。銀座リプロ外科のウェブサイトでは初診5,500円・初回検査11,000円・薬剤処方1回分5,500円(すべて税込)という構成が公表されている。
| 費用の項目 | 確認できた参考価格 |
|---|---|
| 初診料 | 5,500円(確認事例) |
| 初回検査・手技指導 | 11,000円(確認事例) |
| 薬剤費(1回分) | 5,500円(確認事例) |
※上記はあくまで確認できた一例です。クリニックによって料金体系は異なります。受診前に必ず確認してください。
治療の流れとクリニック選びのポイント
受診から自己注射までの流れ
- 初診・カウンセリング:EDの原因・既往歴・現在の服薬状況を確認し、適応の可否を医師が判断する。
- 検査:必要に応じて血液検査・ホルモン検査・血管機能検査などを実施。
- 初回注射(手技指導):クリニックで医師または看護師の指導のもと初回注射を行い、手技を習得する。
- 自宅での自己注射:手技習得後、性行為の前に自分で注射する形式に移行する。
- 定期フォロー:副作用の確認・手技の確認のため定期的に通院する。
カウンセリング前のチェックリスト
- 日本性機能学会認定専門医もしくは泌尿器科専門医が在籍しているか
- 持続勃起症への緊急対応について事前説明があるか
- 初回はクリニックで手技指導を受けられるか
- 定期フォローの体制が整っているか
- 初診料・検査料・薬剤費など費用の内訳が事前に明示されているか
- 個人輸入薬ではなく、医療機関を通じて処方された薬剤を使用しているか
よくある誤解
誤解1:「ICI療法は重症EDへの最後の手段」
日本性機能学会・日本泌尿器科学会の2025年版ガイドラインでは、ICI療法はPDE5阻害薬の次の「第二選択」に位置づけられている。最後の手段ではなく、経口薬が合わない方が次のステップとして検討できる確立した治療だ。
誤解2:「自己注射は難しくて一般の人には無理」
使用する針は非常に細く、クリニックで手技指導を受けた後に自宅実施へ移行している方は実際に多い。一人では不安な方はパートナーとともに指導を受ける選択肢もある。習得の難しさは個人差があるため、焦らず医師・看護師とともに進めることが現実的な方法だ。
よくある質問
- Q. ICI療法は保険が使えますか?
- 日本国内でPGE1製剤はED治療目的での承認がなく、ICI療法はすべて自由診療です。保険適用外のため、費用はクリニックによって異なります。受診前に料金の内訳を確認してください。
- Q. 毎回クリニックで注射を受けなければいけませんか?
- 初回はクリニックで医師の指導のもと注射を実施し、手技を習得します。その後は自宅での自己注射に移行するのが一般的です。定期的なフォロー受診は必要です。
- Q. 現在ED薬を服用中ですが、ICI療法と併用できますか?
- PDE5阻害薬とICI療法の併用は持続勃起症のリスクが高まる可能性があります。自己判断での組み合わせは避け、必ず担当医に相談したうえで判断してもらってください。
BIOTOPE CLINIC 白金へのご相談
気になる症状・治療法は、形成外科専門医・苅部医師にカウンセリングでご相談ください。お一人おひとりの肌・お悩みに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
所在地: 東京都港区白金 / 監修: 苅部 淳 医師(形成外科専門医)
まとめ
ICI療法(陰茎海綿体注射)は、プロスタグランジンE1製剤を陰茎海綿体に直接注射してEDを改善する治療で、日本性機能学会・日本泌尿器科学会の2025年版ガイドラインでも第二選択として位置づけられている。PDE5阻害薬とは作用機序が異なるため、経口薬が効きにくい重症器質性EDや、心疾患・糖尿病などで内服薬の使用が難しい方でも検討の対象になりうる。
副作用のうち特に注意が必要なのは持続勃起症(プリアピズム)で、4時間以上の持続勃起が起きた場合は緊急受診が必要だ。費用は自由診療で、確認できた参考価格では薬剤1回分が5,500円(税込)前後のクリニックもあるが、クリニックごとの確認が欠かせない。
経口薬が合わない場合にはICI療法などの選択肢もある。専門医の診察を受けて、自分に合った治療を検討してほしい。気になる方はカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でもご相談いただけます。
References
- 日本性機能学会・日本泌尿器科学会『男性性機能障害診療ガイドライン2025年版』メディカルレビュー社、2025年9月19日 出典
- 日本性機能学会・日本泌尿器科学会『ED診療ガイドライン 第3版』リッチヒルメディカル、2018年1月 出典(Mindsガイドラインライブラリ)
- 帝京大学泌尿器科アンドロロジー診療「陰茎海綿体自己注射(ICI治療)」 出典
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諦める前に知ってほしい選択肢
ED薬が効かない方に、ICI療法(陰茎海綿体自己注射)という治療法があります
バイアグラ・シアリス・レビトラなどの内服薬(PDE5阻害薬)で十分な効果が得られない場合でも、ICI療法という別の作用機序の治療で有効性が期待できるケースがあります。糖尿病や高血圧、心疾患などの基礎疾患で内服薬が使いにくい方にも、医師の適応判断のもとで検討できる治療です。
こんな方にICI療法が検討されます
- ED薬(バイアグラ・シアリスなど)を試したが効果が不十分だった方
- 糖尿病・高血圧・心疾患などで内服薬が使いにくい方
- 硝酸薬(狭心症治療薬)服用中でPDE5阻害薬が禁忌の方
- 前立腺手術後・脊髄損傷など神経性EDのある方
BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)では、形成外科専門医・苅部 淳医師によるカウンセリングのもと、患者さん一人ひとりのお身体の状態や基礎疾患を踏まえて治療の適応を判断しています。まずはお気軽にご相談ください。
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
苅部 淳 理事長の発信
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