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ED治療の注射と飲み薬の違いを徹底比較|効果・費用・選び方

2026.06.07

ED治療は注射と飲み薬どちらを選ぶ?仕組み・効果・違いをわかりやすく解説

「ED(勃起不全)の治療を受けてみたいけれど、飲み薬と注射のどちらが自分に合っているのかわからない」——そのようなお気持ちで、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。 ED治療には複数のアプローチがあり、それぞれ仕組み・効果の出方・ダウンタイム・費用・向いている方の特徴が異なります。どちらが”正解”というわけではなく、ご自身の状態や生活スタイル、既往症などによって最適な選択肢は変わってきます。 この記事では、ED治療における「飲み薬(内服薬)」と「注射療法」それぞれの仕組みと特徴を丁寧に整理し、治療を検討される際に役立つ情報をお届けします。
  • ED治療の飲み薬と注射の仕組みの違い
  • それぞれの効果・効果が出るタイミングの違い
  • 副作用・注意点・向いている方・向かない方
  • 費用の目安と治療選択のポイント
  • 飲み薬が効きにくい場合の選択肢

ED(勃起不全)とはどのような状態か

ED(Erectile Dysfunction/勃起不全)とは、性的な意欲があるにもかかわらず、満足のいく性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。一時的なものから慢性的なものまで程度はさまざまです。 日本泌尿器科学会の調査では、40代以上の男性の約半数に何らかのED症状があるとされており、決して珍しい状態ではありません。しかし実際に医療機関を受診している方はその一部に留まるともいわれており、「恥ずかしくて相談できない」という方が多いのが現状です。 EDの原因は大きく「器質性(身体的な原因)」「心因性(精神的・心理的な原因)」「混合性」の3つに分類されます。糖尿病・高血圧・動脈硬化など血管や神経の問題が関与することも多く、単なる「男性の悩み」ではなく、生活習慣病の指標になりうる重要なサインでもあります。

ED治療の飲み薬(PDE5阻害薬)の仕組みと特徴

飲み薬の作用メカニズム

ED治療の内服薬として広く使われているのが「PDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ5型阻害薬)」と呼ばれる薬剤です。性的刺激があると陰茎の血管を広げる物質(cGMP)が分泌されますが、これを分解する酵素(PDE5)の働きをブロックすることで、血流を維持して勃起を助けます。 あくまで性的刺激があることが前提であり、「薬を飲むだけで勃起する」わけではない点は重要なポイントです。

主な飲み薬の種類と特徴

日本国内で承認されているED治療の内服薬には、主に以下の種類があります。それぞれ効果が現れるまでの時間や持続時間が異なります。
薬剤名(一般名) 効果発現の目安 持続時間の目安 特徴
シルデナフィル(バイアグラ等) 30〜60分 4〜6時間 食事の影響を受けやすい
バルデナフィル(レビトラ等) 15〜30分 4〜8時間 比較的速効性がある
タダラフィル(シアリス等) 30〜60分 最大36時間程度 持続が長く毎日服用タイプもある
アバナフィル(ステンドラ等) 15〜30分 6時間程度 比較的副作用が少ないとされる
各薬剤の選択は、使用頻度・生活スタイル・他の服薬状況などを踏まえて医師が判断します。自己判断での服用は副作用リスクがありますので、必ず医師の処方のもとで使用してください。

ED治療の注射療法の仕組みと特徴

注射療法(陰茎海綿体注射)とは

ED治療における注射療法の代表的なものが「陰茎海綿体注射(ICI:Intracavernosal Injection)」です。血管を広げる薬剤(主にアルプロスタジルなど)を陰茎の海綿体に直接注射することで、性的刺激がなくても血流を増加させ、勃起を促します。 飲み薬と最も大きく異なるのは「性的刺激がなくても効果が出る」という点です。そのため、心因性EDよりも器質性EDや神経障害を伴うEDに対して効果が期待できるケースが多いとされています。

注射療法の効果が出るまでの時間と持続

陰茎海綿体注射は、投与後おおむね5〜15分程度で効果が現れるとされており、持続時間は薬剤の種類や投与量によって異なりますが、30分〜1時間程度が一般的です。速効性が高い点は注射療法の大きな特徴のひとつです。 ただし、4時間以上勃起が続く「持続勃起症(プリアピズム)」が起きた場合は、組織への血流障害につながるリスクがあるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。自己注射の場合も、必ず医師の指導のもとで行うことが原則です。

注射療法の種類:PRP・成長因子系の注射について

近年では、陰茎海綿体注射だけでなく「PRP(多血小板血漿)注射」や「成長因子を活用した再生医療的アプローチ」も一部の医療機関で行われるようになっています。これらは血管の再生・神経機能の改善を目指すもので、従来の薬剤的アプローチとは異なる観点からEDに働きかける治療法として注目されています。 ただし、これらの治療法は保険適用外であり、エビデンスの蓄積もまだ途上段階にあります。治療を検討される際は、メリットとリスクをしっかりと医師に確認されることをお勧めします。

飲み薬と注射療法の主な違いを比較

比較項目 飲み薬(PDE5阻害薬) 注射療法(海綿体注射等)
作用の仕組み 酵素の働きを阻害し血流維持 血管拡張薬を直接注入
性的刺激の必要性 必要 原則不要
効果発現の速さ 15〜60分程度 5〜15分程度
侵襲性 低い(内服のみ) やや高い(注射が必要)
向いている原因タイプ 心因性・軽度〜中等度の器質性 器質性・神経障害を伴うED
保険適用 一部薬剤は保険適用あり 原則自費(再生医療系は自費)
費用の目安(1回) 1,000〜3,000円程度(保険適用時) 10,000〜30,000円程度(自費)
主な副作用 顔のほてり・頭痛・低血圧等 疼痛・持続勃起症・線維化等

副作用・注意点と向いている人・向かない人

飲み薬の主な副作用と注意点

PDE5阻害薬でよく見られる副作用には、顔のほてり・鼻づまり・頭痛・視覚の変化(青みがかって見えるなど)・低血圧などがあります。特に注意が必要なのが、硝酸塩系の薬剤(狭心症の薬など)との併用です。この組み合わせは急激な血圧低下を起こす危険性があり、絶対に避けなければなりません。 心臓疾患・重度の肝機能障害・低血圧の方、また硝酸塩系薬剤を使用中の方には原則として投与できません。

注射療法の主な副作用と注意点

陰茎海綿体注射では、注射部位の疼痛・内出血・陰茎の硬結(線維化)などが生じることがあります。前述の持続勃起症(プリアピズム)も重大なリスクのひとつです。また、長期の繰り返し使用による局所の線維化にも注意が必要です。 抗凝固薬を服用中の方、陰茎の構造的異常(ペイロニー病など)がある方、手技的に注射が困難な方には適さない場合があります。

見落としがちなポイント:飲み薬が「効かない」と感じる理由

「飲み薬を試したが効果がなかった」とご相談いただく方の中には、服用のタイミングや条件が適切でなかったケースも少なくありません。例えば、高脂肪食の直後にシルデナフィルを服用すると吸収が遅れ、効果が十分に得られないことがあります。また、1度試して効果がなかった場合でも、薬剤の種類や用量を変えることで改善するケースもあります。 「飲み薬が合わない」と判断する前に、まず医師に服用状況を相談することが大切です。当院の外来でも「市販の通販サイトで購入した薬を使ったが効かなかった」というご相談が増えていますが、臨床現場で見ていると、一度の試行で諦めてしまう患者さんが少なくありません。未認可品や偽造品のリスクも伴うため、必ず医療機関での処方をお勧めしています。

苅部医師のコメント

「ED治療について外来で多く相談を受けるのは『飲み薬をネットで試してみたが、いまひとつ効果を感じられなかった』というご経験をお持ちの患者さんです。ただ実際には、薬の種類・用量・服用タイミングの見直しだけで改善するケースも多く、また背景に糖尿病や血管障害が隠れていることもあります。術後経過観察で実感したのは、EDはQOL(生活の質)にも深く関わるテーマであるということです。『たいしたことではない』と抱え込まず、気軽に専門医に相談していただきたいと思います。」

ED治療費用の目安と保険適用について

飲み薬の費用

ED治療の内服薬のうち、タダラフィル(シアリス後発品など)は一定の条件を満たす場合に保険適用が認められています(2022年以降)。保険適用時は1錠あたりの自己負担が数百円〜1,000円程度になるケースもあります。保険適用外の場合、クリニックによって異なりますが、1錠あたり1,000〜3,000円程度が目安です。 なお、オンライン診療によるED治療薬の処方も広まっていますが、問診の質・処方の適切さ・フォローアップ体制には医療機関によって差があります。対面診療での丁寧な問診と処方を選択されることをお勧めします。

注射療法の費用

陰茎海綿体注射は原則として自費診療となります。薬剤費・処置料を含めると1回あたり10,000〜30,000円程度が目安とされていますが、医療機関や使用薬剤によって大きく異なります。PRP注射などの再生医療的アプローチはさらに費用がかかるケースが多く、1回あたり50,000〜100,000円以上になることもあります。 いずれの治療も、カウンセリングや診察を通じて費用の詳細を確認してから始めることが重要です。

飲み薬・注射以外のED治療の選択肢

ED治療には、内服薬・注射のほかにも選択肢があります。たとえば「低強度体外衝撃波療法(LI-ESWT)」は、陰茎に低強度の衝撃波を当てることで血管新生を促し、器質性EDの改善を目指す治療法です。2019年に発表されたメタアナリシス(Clavijo RI, et al.)では、LI-ESWTがEDスコア(IIEF)を有意に改善させたという報告があります。薬剤を使わないため、薬剤の副作用を避けたい方に向いている選択肢のひとつとして注目されています。 また、男性のお悩み全般に対して予防医療・内側からのアプローチも含めたご相談を承っています。生活習慣の改善や栄養状態の最適化もED改善に寄与することがあるとされており、オーソモレキュラー栄養療法や点滴療法との組み合わせをご希望の方はお気軽にご相談ください。

よくある誤解

誤解1:「ED治療薬は若い男性には関係ない」

EDは中高年の問題というイメージを持たれがちですが、実際には20〜30代の若い世代でも心因性EDや生活習慣に起因するEDは起こりえます。実際の診療でも、20代〜30代の男性からのご相談は珍しくありません。年齢を問わず、気になる症状があれば早めに専門医に相談することが大切です。

誤解2:「注射療法は痛みが激しく続けられない」

「注射と聞くだけで躊躇する」という方は多いですが、陰茎海綿体注射は細い針を使用し、局所麻酔薬を配合したものも多く、「思ったより痛みが少なかった」とおっしゃる方も少なくありません。ただし、注射への抵抗感や痛みへの感受性は個人差があります。注射への不安が強い方には飲み薬からの開始が適している場合もありますので、遠慮なく医師に伝えてください。

よくある質問

Q. ED治療薬は毎回飲まないと効果がありませんか?
タダラフィルには「毎日服用タイプ(低用量)」があり、毎日一定量を服用することで常に一定の血中濃度を保ち、性的刺激があったときに自然に反応しやすくなるとされています。「使用する直前に飲む」以外の選択肢もありますので、ライフスタイルに合わせて医師に相談してみてください。
Q. 飲み薬が全く効かない場合、注射に変えると効果が出やすいですか?
飲み薬(PDE5阻害薬)に反応しにくい方の中には、注射療法で改善するケースもあります。特に糖尿病や神経障害、骨盤内手術後など血管・神経の損傷が原因の場合は、性的刺激を必要とせず直接作用する注射療法が有効なことがあります。ただし、どちらの方法が適しているかは個々の状態によって異なりますので、専門医による診察が欠かせません。
Q. ED治療薬とアルコールを一緒に飲んでも大丈夫ですか?
少量のアルコールであれば大きな問題はないとされていますが、多量のアルコールはPDE5阻害薬と相互作用して血圧の過度な低下や薬の効果の減弱を招く可能性があります。服用前に大量の飲酒をすることは避け、不安な点は処方医に確認してください。

まとめ

ED治療における「飲み薬」と「注射療法」は、それぞれ仕組み・効果の出方・副作用・費用・向いている方の特徴が異なります。どちらが優れているということはなく、ご自身の原因・生活スタイル・希望に合わせて選ぶことが大切です。 飲み薬は手軽で侵襲が少ない一方、硝酸塩薬との併用禁忌などの制約があります。注射療法は器質性EDや飲み薬が合わない方に向いている可能性がありますが、医師の適切な指導が不可欠です。また、いずれの治療も根本原因(生活習慣病・ストレスなど)へのアプローチを並行することで、より良い結果が期待できます。 「どちらが自分に向いているか」「一度試したが上手くいかなかった」「副作用が心配」など、ED治療に関するご不安・ご疑問があれば、ひとりで抱え込まずに専門医にご相談ください。形成外科専門医・苅部医師をはじめとするスタッフが丁寧にお話を伺います。気になる方は、ぜひカウンセリングでご相談いただけます。

参考情報・出典

監修医師

苅部 淳 形成外科専門医・BIOTOPE CLINIC 白金 理事長

苅部 淳

Karibe Jun

理事長

略 歴

順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
各病院での臨床経験を経て形成外科専門医取得
2019年 麹町皮ふ科・形成外科クリニック 開院(千代田区市ヶ谷)
2021年 BIOTOPE CLINIC 白金 開院(港区白金)

資 格

日本形成外科学会 形成外科専門医
日本抗加齢学会 専門医
日本医師会認定産業医
アラガン社 ボツリヌス注射・ヒアルロン酸 VST認定医

受 賞

東京大学形成外科 最優秀賞(2016年)
日本形成外科学会 優秀賞(2018年)
ASPS(アメリカ形成外科学会)優秀演題発表(2018年)

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。気になる症状・お悩みがある場合は専門医にご相談ください。
参考:日本美容外科学会(JSAPS)日本皮膚科学会

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