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額のしわの原因と治療法まとめ|表情じわと刻まれたしわの見分け方
2026.09.05
額の横じわが気になり始めたら、まず「原因の切り分け」から

眉を上げたときにくっきり出る額の横じわ。以前は表情を戻せば消えていたのに、最近は無表情でも線が残る。前髪で隠す日が増えた。そんな変化に気づいて検索した方に向けて、額のしわが生まれる仕組みと、国内で受けられる治療の選択肢を整理します。
額のしわは「筋肉の動き」「紫外線による皮膚の変化」「まぶたの開きにくさ」など、複数の要因が重なって現れます。原因が違えば適した治療も変わるため、切り分けが最初の一歩になります。
また、額へのボツリヌス毒素製剤の注射については、国内の承認状況を正しく知っておきたいところです。多くの方が誤解しやすい点なので、公的資料に沿って後半で詳しく扱います。
- 額のしわが「動いたときだけ出るタイプ」か「常に残るタイプ」かの見分け方
- 前頭筋・光老化・眼瞼下垂という3つの主な原因
- 額へのボツリヌス毒素製剤が国内でどう位置づけられているか(2026年8月時点)
- 治療ごとの承認状況・持続の目安・注意点の比較
- カウンセリングで確認しておきたいチェック項目
額のしわは2タイプ。鏡の前で30秒で見分けられます

治療を検討する前に、自分のしわがどちらに近いかを確かめます。手順は簡単で、鏡の前で眉を大きく上げ、その後に完全に力を抜くだけです。
動いたときだけ出る「表情じわ」
眉を上げると横じわが出て、力を抜くと消えるタイプです。額の前頭筋という筋肉が収縮し、皮膚が折りたたまれることで生じます。皮膚そのものの構造変化は、まだ大きくない段階です。
無表情でも残る「刻まれたしわ」
力を抜いても線が残る、指で軽く伸ばしても戻りにくい。この場合は皮膚の内部、真皮の変化が関わっています。環境省の『紫外線環境保健マニュアル2015』は、真皮について「膠原線維(コラーゲン)が主で皮膚の丈夫さを保ち、弾性線維は皮膚の張りを保ちます」と説明しています。この土台が変化すると、折りたたまれた跡が戻りにくくなります。
実際には両方が混ざっている方が多く、混ざり方によって治療の組み立ても変わります。
額にしわができる主な原因を分解する

1. 前頭筋のくり返しの収縮
額の前頭筋は、眉を持ち上げるときに働きます。驚いた表情、目を見開く癖、パソコンやスマートフォンを見上げる姿勢など、日常の中で何度も収縮しています。同じ方向に皮膚が折りたたまれ続けることが、横じわの土台になります。
2. 紫外線による光老化
額は顔の中でも高い位置にあり、上から降りそそぐ紫外線を受けやすい部位です。環境省の同マニュアルは、長年日光を浴び続けることで生じるシミやしわについて「実は生理的な加齢に加えて、紫外線による慢性傷害によって生じる光老化の結果であり、光老化は加齢による自然の老化とは異なり、適切な紫外線防御対策により防ぐことができるものです」と記しています。
裏を返せば、額のしわの一部は日々の紫外線対策で進行をゆるめられる余地がある、ということになります。
3. まぶたの開きにくさ(眼瞼下垂)による代償
見落とされやすいのがこの要因です。日本形成外科学会は加齢性眼瞼下垂について、「おでこの筋肉(前頭筋)を利用してまぶたを上げようとするためまゆ毛の位置が高くなり、額のしわが目立つようになります」と説明しています。頭痛や肩こりの原因になることもある、とも書かれています。
つまり、額のしわが「まぶたを開くための無意識の代償動作」として出ている場合があります。この背景がある方は、額だけを狙った治療では十分に納得できる結果になりにくいことがあります。まぶたが重い、夕方に目が開けづらい、眉毛の位置が昔より高くなった、という自覚がある方は、形成外科での診察を先に検討する価値があります。
4. 乾燥と皮膚の水分保持力の低下
乾燥した状態では細かい線が目立ちやすくなります。乾燥由来の浅い線は、保湿を整えることで見え方が変わることがあります。深く刻まれた線とは分けて考えたい要素です。
よくある誤解:「額のボトックスは国内で承認された治療」ではありません

ここは正確に知っておきたい部分です。国内で美容目的に承認されているA型ボツリヌス毒素製剤「ボトックスビスタ注用50単位」の添付文書(2025年3月改訂・第3版)では、効能又は効果は「65歳未満の成人における眉間又は目尻の表情皺」と定められています。
同添付文書の警告欄には「用法及び用量を厳守し、眉間の表情皺及び目尻の表情皺以外には使用しないこと」と明記され、重要な基本的注意でも「眉間の表情皺及び目尻の表情皺以外の適応に対して本剤を絶対に使用しないこと」とされています。
前額部(額)については、アッヴィ合同会社アラガン・エステティックスが2026年5月18日に、成人に対する前額部の表情皺の適応追加に関する製造販売承認を申請したと発表しています。申請の段階であり、この記事の時点では承認された効能・効果には含まれていません。
適応外使用として受ける場合に説明されるべきこと
厚生労働省の「医療広告等ガイドライン」(令和8年3月30日最終改正)は、承認された効能・効果や用法・用量と異なる医薬品等を自由診療で使う場合、未承認医薬品等であることの明示、入手経路の明示、国内の承認医薬品等の有無、諸外国における安全性等の情報を示すよう求めています。
さらに同ガイドラインは、承認を受けた医薬品であっても「原則として決められた効能・効果、用法・用量及び使用上の注意に従って使用されていない場合は救済対象にならないこと」を明示するよう定めています。ここでいう救済とは、医薬品副作用被害救済制度のことです。額への注射を検討する際は、この説明が事前にあるかどうかを確認してください。
額のしわに用いられる主な治療の比較

数字と承認状況は、いずれも各製品の添付文書・製品情報および公的資料で確認できる範囲に限って記載しています。
| 治療 | 主に狙うタイプ | 国内での位置づけ | 持続の目安 | 押さえておきたい点 |
|---|---|---|---|---|
| A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックスビスタ) | 表情じわ | 承認された効能・効果は65歳未満の成人の眉間又は目尻の表情皺。前額部は2026年5月18日に適応追加を申請中 | 添付文書上、効果は通常3〜4ヵ月で消失。眉間を対象とした国内長期投与試験の平均効果持続期間は10単位群13.3±6.37週、20単位群15.6±7.00週 | 3ヵ月以内の再投与は避けることとされる。保険給付の対象外(薬価基準未収載) |
| ヒアルロン酸注入剤(ジュビダームビスタ ウルトラXC/ウルトラプラスXC) | 刻まれたしわ・溝 | 顔面において中等度から重度のしわや溝(鼻唇溝等)を修正するため、真皮中層部から深層部に注入して使用 | ウルトラXCは約9ヵ月、ウルトラプラスXCは約12ヵ月と製品情報に記載 | 口唇や眼瞼への使用、隆鼻術等の形状変更を目的とした使用は適応に含まれない |
| 高周波・超音波などの機器治療 | ハリの低下・刻まれたしわ | 機器ごとに承認状況が異なるため個別確認が必要 | 機器・設定により異なる | 厚生労働省は、HIFU機器を人体に照射する行為について医師以外による施術が医師法に抵触する可能性を示し、監視指導の徹底を通知している |
| 眼瞼下垂に対する手術 | まぶたの代償が背景にある場合 | 形成外科で行われる術式(挙筋前転術、余剰皮膚切除術など) | 術式・状態により異なる | 日本形成外科学会は、治療により視野が改善し、おでこの筋肉でまぶたを上げていた方は頭痛や肩こりの改善が期待されると説明 |
額のしわは単一の治療で完結しないことも多く、表情じわと刻まれたしわの比率、まぶたの状態を見ながら組み立てます。BIOTOPE CLINIC 白金でも、ボトックスやヒアルロン酸、Morpheus8などの機器治療、眼瞼下垂手術をご相談いただけます。
ダウンタイムと副作用・リスク

ボツリヌス毒素製剤で報告されている副作用
ボトックスビスタの添付文書には、その他の副作用として、眼瞼下垂と頭痛が1〜5%未満、複視・霧視(感)、羞明、眼痛、注射部腫脹、注射部出血斑などが1%未満の頻度で記載されています。
重大な副作用として、ショック・アナフィラキシー・血清病、角膜潰瘍・角膜穿孔などの眼障害、嚥下障害・呼吸障害、痙攣発作が挙げられており、いずれも投与を中止するなど適切な処置が必要とされています。
禁忌も明確です。重症筋無力症などの全身性の神経筋接合部の障害をもつ患者、妊婦又は妊娠している可能性のある女性および授乳婦、本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者、他のボツリヌス毒素製剤にて治療中の患者には投与しないこととされています。妊娠する可能性のある方は、投与中および最終投与後2回の月経を経るまでは避妊するよう求められています。
機器治療で気をつけたいこと
国民生活センターは2017年3月2日、エステサロン等でのHIFU機器による施術について、熱傷や神経損傷を生じた事例を公表しています。同センターは「HIFU施術による侵襲行為は、医師の医学的知識や技能を必要とする施術であり、医師以外の者による施術は絶対に受けてはいけません」と呼びかけています。
厚生労働省も2023年3月31日の通知で、HIFU機器の監視指導の徹底を各自治体に求めています。機器治療を選ぶ際は、医師が診察と施術に関与する体制かどうかを確認してください。
向いている人・向かない人
表情じわへのアプローチが合いやすい方
- 眉を上げたときだけ線が出て、力を抜くと消える
- 眉を上げる癖が強く、日中に何度も額に力が入っている
- まだ線が浅く、進行をゆるめたい段階にある
別の切り口を先に検討したい方
- まぶたが重く、無意識に眉で目を開けている自覚がある
- 無表情でも深い線が残り、指で伸ばしても戻りにくい
- 妊娠中・授乳中、または重症筋無力症などの神経筋疾患がある(ボツリヌス毒素製剤は禁忌)
- 65歳以上(ボトックスビスタの添付文書では高齢者への投与は推奨できないとされています)
費用の目安と、自由診療としての確認事項
額のしわに対する美容目的の治療は自由診療で、全額自己負担になります。ボトックスビスタの添付文書にも「本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)」と明記されています。
金額は医療機関ごとに設定が異なるため、この記事では特定の相場を示しません。かわりに、厚生労働省の医療広告等ガイドラインが医療機関側に求めている情報提供の内容を、確認の物差しとして使ってください。同ガイドラインは自由診療について「通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間及び回数を掲載し、患者等に対して適切かつ十分な情報を分かりやすく提供すること」、そして主なリスクや副作用の情報も分かりやすく掲載することを求めています。
カウンセリングで確認したいチェックリスト
- 自分のしわは表情じわと刻まれたしわのどちらが主か、診察でどう判断されたか
- 使う製剤・機器の名称と、国内での承認状況
- 額への注射が適応外使用にあたる場合、その説明と、副作用被害救済制度の対象外である旨の説明があるか
- 1回あたりの費用に加えて、想定される回数・期間・追加費用
- 起こりうる副作用と、起きた場合の対応・連絡先
- まぶたの状態(眼瞼下垂の有無)を含めて診てもらえたか
- 効果が出るまでの期間と、持続の目安
治療と並行してできる、額のしわの予防
環境省のマニュアルが示すとおり、光老化は適切な紫外線防御対策により防ぐことができるものとされています。額は帽子のつばや前髪で隠れると油断しがちですが、日焼け止めを額の生え際まで塗る、日差しの強い時間帯を避けるといった積み重ねが効いてきます。
加えて、眉を上げる癖の自覚も役立ちます。パソコンの画面位置が低すぎると見上げる姿勢になり、眉が上がりやすくなります。画面の高さを目線に合わせるだけで、額に入る力が減る方もいます。
よくある質問
- Q. 額へのボトックス注射は日本で承認されていますか。
- ボトックスビスタの承認された効能又は効果は「65歳未満の成人における眉間又は目尻の表情皺」で、前額部は含まれていません。前額部の表情皺については2026年5月18日に適応追加の承認申請が行われたと発表されていますが、この記事の時点では審査中です。額への使用は適応外使用にあたるため、その説明を受けたうえで判断してください。
- Q. 効果はどのくらい持続しますか。
- ボトックスビスタの添付文書には、投与は対症療法であり効果は通常3〜4ヵ月で消失すると記載されています。眉間の表情皺を対象とした国内長期投与試験では、平均効果持続期間が10単位群で13.3±6.37週、20単位群で15.6±7.00週と報告されています。なお3ヵ月以内の再投与は避けることとされています。
- Q. 保険は使えますか。
- 美容目的の治療は自由診療で、全額自己負担です。ボトックスビスタは薬価基準未収載で、保険給付の対象になりません。一方で、まぶたの機能的な問題が背景にある場合は診療の枠組みが変わることがあるため、診察時に確認してください。
BIOTOPE CLINIC 白金へのご相談
気になる症状・治療法は、形成外科専門医・苅部医師にカウンセリングでご相談ください。お一人おひとりの肌・お悩みに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
所在地: 東京都港区白金 / 監修: 苅部 淳 医師(形成外科専門医)
まとめ
額のしわは、前頭筋の動き、紫外線による光老化、まぶたの開きにくさという3つの要因が重なって現れます。動いたときだけ出るのか、無表情でも残るのかで、適した治療の方向が変わります。
額へのボツリヌス毒素製剤の注射は、国内では承認された効能・効果に含まれておらず、適応外使用にあたります。前額部の適応追加は2026年5月18日に申請されたと発表されており、現時点では審査の段階です。適応外使用では医薬品副作用被害救済制度の対象にならない点も含め、事前の説明を受けたうえで選んでください。
そして、まぶたが重い自覚がある方は、額だけを見るのではなく、まぶたの状態から診てもらう順序が合っていることがあります。気になる方はカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でもご相談いただけます。
References
- 環境省『紫外線環境保健マニュアル2015(2015年3月改訂版)』環境省、2015年 出典
- 一般社団法人日本形成外科学会『加齢性眼瞼下垂(腱膜性眼瞼下垂・眼瞼皮膚弛緩症)』 出典
- 厚生労働省『医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告等ガイドライン)』令和8年3月30日最終改正 出典
- 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長『HIFUに関する監視指導の徹底について』(薬生監麻発0331第12号)2023年 出典
- 独立行政法人国民生活センター『エステサロン等でのHIFU機器による施術でトラブル発生!-熱傷や神経損傷を生じた事例も-』2017年 出典
- アッヴィ合同会社アラガン・エステティックス『ボトックスビスタ注用50単位 添付文書(2025年3月改訂・第3版)』2025年 出典
- アッヴィ合同会社『アラガン・エステティックス、日本においてA型ボツリヌス毒素製剤の前額部の表情皺に関する適応追加の製造販売承認を申請』2026年5月18日 出典
- アッヴィ合同会社アラガン・エステティックス『ジュビダームビスタ ウルトラXC ウルトラプラスXC』製品情報 出典
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監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
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受 賞
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