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ヒアルロン酸でほうれい線治療|費用の内訳と持続期間・注意点を解説
2026.09.07
ほうれい線のヒアルロン酸注入、費用は「何で決まるか」から理解する

鏡を見るたびに口元の線が気になる。写真に写った自分の顔が、思っていたより疲れて見える。ほうれい線は、年齢を重ねるほど気になりやすい部分です。
近年の美容医療の普及でヒアルロン酸の需要は高まっており、当院にも全国からたくさんの患者様が毎日いらしています。
調べていくと、ヒアルロン酸注入という選択肢にたどり着く方が多いはずです。ただ、価格の表示方法はクリニックごとに違い、総額がいくらになるのか読み取りにくいという難しさがあります。「1本◯◯円」と書かれていても、自分に何本必要なのかは分かりません。
この記事では、金額の相場を当てにいくのではなく、費用がどう組み立てられているかという構造を整理します。仕組みが分かれば、目の前の見積もりを自分で読み解けるようになります。
- ほうれい線へのヒアルロン酸注入が、どういう仕組みで変化をつくるのか
- 自由診療の費用が何によって増減するのか、その内訳
- 見積もりで見落としやすい項目と、契約前に確認すべきこと
- 公的機関・学会の資料で確認できるリスクと副作用の実際
- ヒアルロン酸注入が向いている人、慎重に考えたほうがよい人
ヒアルロン酸注入とは(仕組みと特徴)

くぼみを内側から支える治療
ほうれい線は、鼻の脇から口角に向かって伸びる溝です。皮膚の表面にできたシワというより、頬の組織が下がることでできる「段差」としての性質を持ちます。
ヒアルロン酸注入は、この溝や、その原因になっている頬のボリューム低下部分に、ゲル状の製剤を入れて内側から持ち上げる方法です。表面をなぞるのではなく、へこんだ部分の土台を補う発想になります。
学会の診療指針にも項目がある治療
日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会が合同で作成した『美容医療診療指針(令和三年度改訂版)』には、「CQ2‒2‒1 顔のシワ治療に,ヒアルロン酸製剤注入は勧められるか?」というクリニカルクエスチョンが収載されています。美容医療のなかでも、学会レベルで治療指針の対象として扱われている手技です。
製剤には国内承認品と未承認品がある
ここは費用にも直結する部分です。国内で流通するヒアルロン酸注入材には、医薬品医療機器等法(薬機法)上の承認を受けている製品と、承認を受けていない製品の両方があります。
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、未承認の医薬品・医療機器を自由診療に用いる場合、未承認であることの明示、医師の個人輸入によるものであればその旨と入手経路の明示、さらに主要な欧米各国での承認状況や重大な副作用に関する情報を日本語で分かりやすく説明することが、ウェブサイトでの広告可能事項の限定解除の要件とされています。使う製剤が国内承認品かどうかは、カウンセリングで必ず確認したい情報です。
費用はどう決まるのか(自由診療としての料金構造)

まず前提として、ほうれい線へのヒアルロン酸注入は美容を目的とした自由診療で、公的医療保険は使えません。費用は全額自己負担になります。だからこそ、金額の内訳を理解しておく意味があります。
費用を動かす5つの要素
クリニックによって表示は異なりますが、総額は概ね次の要素の掛け算で決まります。
| 要素 | 費用への影響 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 製剤の種類 | 硬さ・持ち・国内承認の有無で価格帯が変わる | 製品名と、国内承認品かどうか |
| 使用量(本数) | 最も大きな変動要因。1本単位の課金が一般的 | 「1本」が何mLか、自分の場合の想定本数 |
| 注入部位の数 | ほうれい線だけか、頬やこめかみも含むか | 提案が単独部位か複合設計か |
| 診察料・麻酔・薬剤 | 施術料に含まれる場合と別建ての場合がある | 表示価格が総額か、施術料単体か |
| アフターフォロー | 再診料、修正、溶解処置の扱い | 追加費用が発生する条件 |
「1本いくら」は総額ではない
ここが最初のつまずきどころです。1本あたりの単価が安く見えても、必要量が増えれば総額は上がります。逆に、単価が高めでも1本で仕上がるなら総額は抑えられます。単価だけで比べても、支払う金額の比較にはなりません。
厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、自由診療について「通常必要とされる治療等の内容・費用等に関する事項」と「主なリスク・副作用等に関する事項」の情報提供が、広告可能事項の限定解除の要件とされています。つまり、単価だけでなく通常必要になる費用の目安が示されているかどうかは、情報提供の姿勢を見る手がかりになります。
見落としやすい費用のポイント

維持コストは「1回分」では計算できない
ヒアルロン酸は体内で徐々に吸収される製剤です。持続期間は製剤や注入部位、個人差によって変わるため、一度入れれば終わりという治療ではありません。判断するときは1回の金額だけでなく、続けるとしたらどのくらいの間隔と費用になるのかを、カウンセリングで確認しておくと現実的な比較ができます。
溶解処置の費用を先に聞いておく
ヒアルロン酸には、専用の酵素で溶かして戻すという対応方法があります。仕上がりが希望と違ったときや、トラブルが起きたときの選択肢です。この処置が自院での施術に対して無料なのか、別料金なのかはクリニックによって異なります。契約前に確認しておきたい項目です。
コース契約には特定商取引法の枠組みがある
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、美容医療は「特定継続的役務提供」の対象7業種のひとつで、期間が1月を超え、かつ金額が5万円を超える契約が規制の対象になります。対象となる契約では、法律で定められた書面を受け取った日から8日以内のクーリング・オフが可能で、その期間を過ぎても契約期間中であれば中途解約ができます。
中途解約時に事業者が請求できる損害賠償等の上限は、美容医療の場合、役務提供開始後で5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額と定められています。回数券やコース契約を検討するなら、この条件を知っているかどうかで判断が変わります。
期待できる変化と、効果の考え方

ほうれい線に対するヒアルロン酸注入では、溝が浅くなり、口元の影が目立ちにくくなるような変化が期待できます。注入した量がそのまま形として反映されるため、施術直後から変化を確認しやすいのが特徴です。
ただし、溝そのものだけを埋めれば自然に見えるとは限りません。頬の下垂が背景にある場合、支えとなる部位へのアプローチを組み合わせる設計が検討されます。どこにどれだけ入れるかという判断が仕上がりを左右するため、診察でのデザインの説明を丁寧に受けたいところです。
皮膚のたるみが主因であれば、注入以外の選択肢が合う場合もあります。BIOTOPE CLINIC 白金でも、HIFUやMorpheus8などを含めて、状態に応じた組み合わせをご相談いただけます。
ダウンタイムと副作用

報告されている有害事象
厚生労働科学研究成果データベースに公開されている令和3年度研究「美容医療における合併症実態調査と診療指針の作成及び医療安全の確保に向けたシステム構築への課題探索」(研究代表者:大慈弥裕之)では、2021年1月から12月までの1年間を対象に、3,093施設へ調査が行われ、82施設から回答がありました(回答率2.7%)。報告された有害事象の治療症例は合計333件です。
この調査で重度合併症として最も多かったのは異物肉芽腫・しこり形成で49件、重度後遺症ではケロイド・肥厚性瘢痕・重度瘢痕が13件でした。非外科的手技のうち原因となった注入剤としてはヒアルロン酸が最多の20件で、自由記載の集計では非吸収性充填剤のアクアフィリングが8件と最も多く報告されています。なお、この調査期間中に死亡例の報告はありませんでした。
回答率が低い調査であるため、これを国内全体の発生率として読むことはできません。ただし、しこりや異物肉芽腫といった事象が実際に治療対象となっている事実は、リスク説明を受けるうえで知っておく価値があります。
施術後に起こり得る一時的な変化
注入した部位には、赤み、腫れ、内出血、押したときの違和感などが出る場合があります。左右差や表面の凹凸を感じることもあり、その場合は経過を見たうえで調整や溶解といった対応が検討されます。
相談件数は増えている
国民生活センターが公表している美容医療サービスに関する相談件数(PIO-NET登録分)は、2023年度が6,281件、2024年度が10,744件と増えています(2026年7月31日更新時点)。同ページでは、オンライン診察でのヒアルロン酸注入について医学的判断が可能か疑問がある、という相談事例も紹介されています。契約と説明のプロセスを軽く扱わないことが、後悔を減らす一番の方法です。
向いている人・向かない人
検討しやすい方
- ほうれい線が「溝・くぼみ」として目立っており、ボリュームを補う余地がある
- 手術は避けたいが、変化を実感できる方法を探している
- 効果が永続しないこと、繰り返し費用がかかることを理解している
- 使用する製剤やリスクについて、説明を受けたうえで判断したい
慎重に考えたい方
- 注入部位に炎症や感染がある、または皮膚の状態が不安定である
- 過去に注入剤で強い反応やしこりを経験している
- 妊娠中・授乳中である
- 1回で完全に消したいなど、期待値が実際の変化と離れている
該当するかどうかの最終判断は診察によります。持病や内服薬、過去の施術歴は、そのまま伝えるほど適切な提案につながります。
カウンセリング前のチェックリスト
費用と安全性の両方を確認するために、次の項目をメモして持っていくと聞き漏らしを防げます。
- 使用する製剤の製品名と、国内承認品かどうか
- 未承認品の場合、入手経路と諸外国での承認状況の説明があるか
- 表示価格に診察料・麻酔・薬剤が含まれるか、それとも別建てか
- 自分の状態で想定される本数と、その場合の総額
- 効果の持続の見込みと、次回の目安時期
- しこりや左右差が出た場合の対応方法と、その費用
- 溶解処置が可能か、費用はどうなるか
- コース契約を勧められた場合、期間・総額・中途解約の条件
- 施術を担当する医師と、当日の流れ
よくある誤解
誤解1:安いクリニックのほうが総額も安い
1本あたりの単価と、支払う総額は別物です。必要本数、部位数、診察料や麻酔の扱いによって、最終的な金額の順位は入れ替わります。比較するなら「自分の場合の総額」を出してもらったうえで並べるのが確実です。
誤解2:美容医療はいつでもクーリング・オフできる
特定商取引法の特定継続的役務提供として保護されるのは、期間が1月を超え、かつ金額が5万円を超える契約です。すべての美容医療契約が自動的に対象になるわけではありません。まとまった契約を結ぶ前に、書面の内容と条件を確認しておきたい部分です。
よくある質問
- Q. ヒアルロン酸注入に健康保険は使えますか。
- ほうれい線の改善を目的とした注入は美容を目的とする自由診療にあたり、公的医療保険の給付対象外です。費用は全額自己負担になります。表示価格に何が含まれるかはクリニックごとに異なるため、事前に総額を確認してください。
- Q. 効果はどのくらい持続しますか。
- 製剤の種類、注入する部位や深さ、体質によって持続の見込みは変わるため、一律の期間は示せません。診察時に、使用予定の製剤でどの程度を想定するのか、次回の目安はいつ頃かを具体的に確認するのが確実です。
- Q. 仕上がりが気に入らなかった場合、元に戻せますか。
- ヒアルロン酸は専用の酵素で溶解するという対応方法があります。ただし実施の可否や費用の扱いはクリニックによって異なるため、契約前に確認しておいてください。しこりや左右差が生じた場合の対応方針も、あわせて聞いておくと安心です。
BIOTOPE CLINIC 白金へのご相談
気になる症状・治療法は、形成外科専門医・苅部医師にカウンセリングでご相談ください。お一人おひとりの肌・お悩みに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
所在地: 東京都港区白金 / 監修: 苅部 淳 医師(形成外科専門医)
まとめ
ほうれい線へのヒアルロン酸注入の費用は、製剤の種類、使用量、部位数、そして診察料や麻酔・アフターフォローの扱いによって決まります。「1本いくら」という表示だけでは、実際に支払う金額は分かりません。
あわせて、使用する製剤が国内承認品かどうか、しこりなどの有害事象が起きたときにどう対応するのか、コース契約なら中途解約の条件はどうなっているのか。この3点を確認しておくと、金額と安全性の両方に納得したうえで判断できます。
気になる方はカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でもご相談いただけます。
References
- 厚生労働省『医療法における病院等の広告規制について(医療広告ガイドライン)』 出典
- 消費者庁 特定商取引法ガイド『特定継続的役務提供』 出典
- 独立行政法人国民生活センター『美容医療サービス(各種相談の件数や傾向)』2026年7月31日更新 出典
- 日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会『美容医療診療指針(令和三年度改訂版)』2022年(Mindsガイドラインライブラリ掲載情報) 出典
- 厚生労働科学研究成果データベース『美容医療における合併症実態調査と診療指針の作成及び医療安全の確保に向けたシステム構築への課題探索』令和3年度、研究代表者:大慈弥裕之 出典
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- ヒアルロン酸を溶かすデメリット|知っておきたいリスクと注意点
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
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