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アクアフィリング除去の方法・費用と注意点を解説
2026.06.08
アクアフィリング除去の方法・費用を解説|後悔しないために知っておくべきこと
「昔受けたアクアフィリングが気になっている」「しこりや変形が出てきたけれど、どうすればいい?」。そんな不安を抱えてこのページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。アクアフィリングはかつて「溶けない半永久的なフィラー」として美容目的で注入されていた素材ですが、現在は日本国内では承認されておらず、除去を希望する方が増えています。
除去には複数の方法があり、状態によって適切なアプローチが異なります。また費用や術後のダウンタイムも気になるポイントです。この記事では、アクアフィリングの特性から除去方法・費用・リスクまでを丁寧に解説します。
- アクアフィリングとは何か、なぜ除去が必要になるのか
- 除去方法の種類と、それぞれの特徴・向いているケース
- 除去にかかる費用の目安
- 除去後のダウンタイム・リスクと注意点
- よくある誤解と、診療を受ける際のポイント
アクアフィリングとは|仕組みと問題が起きやすい理由
アクアフィリングの成分と特徴
アクアフィリング(Aquafilling)は、アクリルアミドヒドロゲルを主成分とする注入系フィラーです。水分を多く含むゲル状の素材で、かつては胸・臀部・顔面・陰茎などへの増大・輪郭形成目的で使用されていました。ヒアルロン酸とは異なり、ヒアルロニダーゼ(溶解剤)で溶かすことができないため、「半永久的に体内にとどまる」という特性があります。
この「溶けない」という点が最大の問題点です。一般的なヒアルロン酸は体内で徐々に吸収されますが、アクアフィリングは吸収されずに移動・拡散・硬化することがあります。日本国内では薬事承認を受けていない素材であり、現在は使用自体が問題視されています。
除去が必要になる主なケース
注入から数年が経過すると、様々なトラブルが生じることがあります。代表的なものとして、しこり・硬結(組織が固まること)、ゲルの移動による変形・非対称、慢性的な炎症・疼痛、感染・膿瘍形成などが挙げられます。また、自覚症状がなくても「体内に異物が残っている」という精神的な不安から除去を希望される方も少なくありません。
当院の外来でも、「注入から5〜10年が経過してから違和感が出てきた」「以前受けたクリニックがなくなってしまい、どこに相談すればよいかわからない」というご相談が増えています。
アクアフィリング除去の方法
① 吸引・切開による外科的除去
最も確実性が高いとされる方法が、外科的な切開・摘出です。局所麻酔または全身麻酔下で、ゲルが存在する部位を切開し、直視下でゲル組織を除去します。ゲルが線維組織(かたい繊維状の組織)と癒着している場合は、周囲組織ごと丁寧に摘出する必要があります。
完全除去を目指す場合に選ばれることが多い方法ですが、部位・拡散範囲・癒着の程度によっては複数回の手術が必要になることもあります。術後には傷跡が残る場合があるため、術前に十分な説明と同意が重要です。
② 穿刺・吸引(針による吸引)
ゲルが比較的流動性を保っている場合、太めの針(カニューレ)を刺して内容物を吸引する方法が選択されることがあります。切開を伴わないため身体への負担は少ない一方、硬化・癒着が進んだ状態では十分に除去できないケースもあります。
吸引法は「完全除去」ではなく「減量・症状緩和」を目的とすることが多く、残存したゲルによって再燃するリスクも念頭に置く必要があります。状態によって外科的切除と組み合わせることも一般的です。
③ 部位別の注意点
除去の難易度と方法は、注入部位によって大きく異なります。顔面(頬・唇・鼻など)は血管・神経が集中しているため、高い解剖学的知識が求められます。胸部・臀部は注入量が多いことが多く、拡散範囲も広い傾向があります。陰茎・陰嚢への注入例では、形態の温存と完全除去の両立が特に難しいとされています。
どの部位であっても、形成外科専門医による術前の画像診断(超音波・MRIなど)と十分な計画立案が不可欠です。
苅部医師のコメント
当院では「他院でアクアフィリングを注入したが、しこりや硬さが気になって除去したい」というご相談が増えています。特に注入から年数が経つほどゲルが周囲組織と癒着しており、「針で吸えばすぐ取れる」と思っていた方が診察後に驚かれることも少なくありません。除去は注入よりもはるかに慎重なアプローチが必要で、まずは画像診断でゲルの現状を把握することを強くおすすめしています。
アクアフィリング除去方法の比較
| 除去方法 | 特徴 | ダウンタイム | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 切開・外科的摘出 | 直視下で確実に除去できる | 1〜2週間程度(部位による) | 癒着・硬化が強い場合、感染がある場合 |
| 穿刺・吸引 | 身体への負担が比較的少ない | 数日〜1週間程度 | ゲルが流動性を保っている場合 |
| 切開+吸引の併用 | 広範囲の除去に対応しやすい | 1〜3週間程度 | 注入量が多く、拡散範囲が広い場合 |
除去後のダウンタイムと起こりうるリスク
一般的なダウンタイムの経過
除去手術後は、部位や除去量にもよりますが、腫れ・内出血・痛みが1〜2週間程度続くことが多いです。顔面では腫れが目立ちやすく、胸部・臀部では圧迫固定が必要なこともあります。傷の回復には個人差があり、完成まで数か月かかるケースもあります。
術後の経過観察と適切なアフターケアが、仕上がりに大きく影響します。担当医の指示に従ったケアを継続することが重要です。
リスクと合併症
アクアフィリング除去に伴うリスクとして、感染・血腫(血液のたまり)・神経損傷・傷跡形成などが挙げられます。また、ゲルが広範囲に拡散していた場合、完全除去が困難なこともあります。除去後にくぼみ・非対称など形態変化が残る可能性もあるため、術前のカウンセリングで十分に理解しておくことが大切です。
2020年に発表されたアクリルアミドヒドロゲル系フィラーに関するレビュー研究では、注入後の合併症として炎症・移動・感染のリスクが報告されており、専門家による適切な除去の重要性が強調されています。
アクアフィリング除去の費用の目安
費用に影響する主な要因
除去費用は、部位・注入量・ゲルの状態・使用する麻酔の種類などによって大きく異なります。顔面の小範囲であれば比較的低コストで済む場合がありますが、胸部・臀部など大量注入の場合や全身麻酔が必要な場合は、費用が大幅に上がることがあります。
以下はあくまで目安であり、診察・画像診断を経た上で個別にご案内するのが一般的です。
一般的な費用の目安(自由診療)
- 顔面(小範囲・吸引法):10万〜30万円程度
- 顔面(切開を伴う場合):30万〜60万円程度
- 胸部・臀部(大量注入):50万〜100万円以上になることもある
- 陰部周辺:部位・量・状態によって大きく異なる
アクアフィリング除去は基本的に自由診療(保険適用外)となりますが、感染・炎症などの病的な合併症がある場合は保険診療の対象となる可能性もあります。担当医にご確認ください。また初診料・画像診断費・麻酔費が別途かかる場合があるため、総費用についてはカウンセリング時に詳しく確認することをおすすめします。
よくある誤解と見落としがちなポイント
誤解①「ヒアルロン酸と同じように溶解剤で溶かせる」
ヒアルロン酸フィラーはヒアルロニダーゼという酵素で溶解できますが、アクアフィリングの主成分はアクリルアミドヒドロゲルであり、この酵素では溶かすことができません。「溶解注射で除去できる」という情報を信じてしまうケースがありますが、これは誤りです。除去には物理的な吸引か外科的摘出が必要です。
誤解②「症状がないから放置しても大丈夫」
現時点で痛みやしこりなどの自覚症状がなくても、ゲルが体内で徐々に移動・拡散することがあります。時間の経過とともに除去が難しくなるケースも報告されています。無症状であっても、一度専門医に状態を確認してもらうことが安心につながります。
アクアフィリング除去を相談する際のポイント
アクアフィリング除去は、解剖学的知識と外科的技術の両方が必要な処置です。形成外科専門医のもとで診察・画像診断を受けた上で、治療方針を決めることを強くおすすめします。「どこに相談すればよいかわからない」という方も、まずはカウンセリングで現状を把握することが第一歩です。
BIOTOPE CLINIC 白金は形成外科専門医が在籍するクリニックです。アクアフィリングの除去に関するご相談はもちろん、除去後の肌状態が気になる方には、CO2フラクショナルレーザーやダーマペンなど肌の質感を整える施術という選択肢もございます。気になる方はお気軽にご相談ください。
よくある質問
- Q. アクアフィリングの除去は一度で完全にできますか?
- ゲルの拡散範囲や癒着の程度によっては、一度の手術で完全に除去しきれないこともあります。術前の超音波・MRIなどによる画像診断でゲルの状態を確認し、複数回の処置が必要かどうか担当医と事前に十分相談することが大切です。
- Q. アクアフィリングの除去は保険適用になりますか?
- 原則として自由診療(保険適用外)となります。ただし感染・膿瘍などの病的な合併症が生じている場合は、保険診療として対応できるケースもあります。詳しくは受診するクリニックに直接お問い合わせください。
- Q. 注入からかなり年数が経っていても除去できますか?
- 年数が経つほどゲルが周囲組織と癒着しやすくなり、除去の難易度が上がる傾向があります。ただし、時間が経っていても除去自体は可能なことが多いです。状態を正確に把握するためにも、まずは専門医による診察・画像診断を受けることをおすすめします。
まとめ
アクアフィリングは溶解剤では除去できない非吸収性フィラーであり、除去には外科的摘出または吸引という物理的なアプローチが必要です。除去の方法・費用・リスクは、部位・注入量・ゲルの状態によって大きく異なるため、まずは形成外科専門医による診察と画像診断を受けることが重要です。
「症状がないから大丈夫」と放置せず、ゲルが体内にある限り一度専門医に相談することが、将来的なトラブル予防にもつながります。アクアフィリングの除去についてお悩みの方、不安をお持ちの方は、ぜひカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でもご相談いただけます。
References
- Christensen L, et al. Adverse reactions to injectable soft tissue permanent fillers. Aesthetic Plast Surg. 2005;29(1):34-48. PubMed
- Alijotas-Reig J, et al. Polyacrylamide gel as a soft-tissue filler: complications and management. Dermatol Surg. 2009;35(S2):1604-1608. PubMed
- Cheng NX, et al. Infections after acrylamide hydrogel injections for cosmetic use: a systematic review. Aesthet Surg J. PubMed検索
- Ono S, et al. Complications of polyacrylamide hydrogel injection in cosmetic surgery and treatment strategies. Plast Reconstr Surg Glob Open. PubMed検索
- Bauer U, et al. Long-term complications from non-absorbable soft tissue fillers: management and outcomes. J Clin Aesthet Dermatol. PubMed検索
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。気になる症状・お悩みがある場合は専門医にご相談ください。
参考:日本美容外科学会(JSAPS)/日本皮膚科学会
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