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人由来ヒアルロニダーゼrHuPH20の特徴と国内・海外事情を解説
2026.09.21
ヒアルロン酸を「元に戻したい」と思ったときに、まず知っておきたいこと

ヒアルロン酸注入のあとで、思っていた仕上がりと違う、しこりが気になる、左右差が出たので溶かして欲しい。
当院でも一番多い相談です。
そんなときに検索して出てくるのが「ヒアルロニダーゼ」という酵素の注射です。さらに調べていくと「ヒツジ由来」「人由来」「rHuPH20」といった言葉が並び、どれを選べばよいのか分からなくなる方が多いテーマです。
この記事は、人由来ヒアルロニダーゼと呼ばれる rHuPH20 が実際にどういう成分なのか、海外ではどんな効能・効果で承認され、日本国内ではどう扱われているのかを、公的機関の資料と学術文献をもとに整理したものです。宣伝的な言い回しではなく、確認できる事実だけを並べます。
- rHuPH20(遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ PH20)がどんな仕組みで働くのか
- ウシ由来・ヒツジ由来との具体的な違いと、アレルギーリスクの考え方
- 米国・英国での承認状況と、フィラー溶解が「適応外使用」である理由
- 日本国内での承認状況、未承認医薬品を使う自由診療のルール、救済制度の扱い
- カウンセリングで確認しておきたい具体的な質問
rHuPH20とは(仕組みと特徴)

ヒアルロン酸を分解する酵素という仕組み
ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸をばらばらに切る働きを持つ酵素の総称です。皮膚の中では、ヒアルロン酸が水を抱え込んで組織の隙間を埋め、注射した液体が広がりにくい「壁」のような役割を果たしています。ヒアルロニダーゼはこの壁を一時的にゆるめます。
この性質があるため、もともとの医学的な使いみちは「他の薬を皮下でよく広げる」「皮下点滴で水分を入れやすくする」といった補助的な用途でした。美容の現場でヒアルロン酸フィラーを溶かす目的に使うのは、この分解作用を応用したものです。
「人由来」と呼ばれるrHuPH20の正体
rHuPH20 は recombinant Human PH20 の略で、日本語では遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ PH20 と表記されます。人の体から抽出した成分ではなく、ヒト由来の遺伝子情報をもとに培養細胞でつくられたタンパク質です。「人由来」という言葉から献血由来のような血液製剤を連想する方がいますが、実際は動物の臓器を使わずに製造される組換えタンパク質です。
米国 Halozyme Therapeutics 社が開発した Hylenex recombinant がこの成分の代表的な製剤で、米国食品医薬品局(FDA)の Drugs@FDA によれば 2005年12月2日に承認されています。
効果は一時的で、組織は元に戻る
Drug Delivery 誌に掲載された Locke らのレビュー(2019年)は、rHuPH20 について「注射後24時間以内に、炎症性の変化や組織学的な変化を伴わずに正常な間質の粘弾性が回復する」と記述しています。つまり酵素の作用そのものは長く残らず、ヒアルロン酸の「壁」は日単位で再構築されていきます。皮膚のヒアルロン酸が永久に失われるわけではない、という点は不安を抱きやすいポイントなので押さえておきたいところです。
同レビューは、rHuPH20 の試験管内での力価について、調製された動物由来ヒアルロニダーゼと比べておよそ140〜200倍という数値も示しています。
動物由来とrHuPH20は何が違うのか

由来別の比較
世界で使われているヒアルロニダーゼは、大きく分けてウシ精巣由来、ヒツジ精巣由来、そして遺伝子組換えヒト型の3種類です。米国国立生物工学情報センター(NCBI)が公開する StatPearls の「Hyaluronidase」の章(Daniels P, Patel P、2026年4月21日更新)は、それぞれの製剤を次のように整理しています。
| 由来 | 代表的な製剤 | 承認国と承認日 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ウシ精巣由来 | Amphadase(150 USP単位/mL) | 米国:2004年10月26日承認(BLA 021665、Amphastar) | 動物の精巣から抽出。異種タンパク質を含む |
| ヒツジ精巣由来 | Vitrase(200 USP単位/バイアル) | 米国:2004年5月5日承認(BLA 021640、Bausch and Lomb) | 保存剤を含まない製剤。英国では Hyalase が流通 |
| 遺伝子組換えヒト型(rHuPH20) | Hylenex recombinant(150 USP単位/mL) | 米国:2005年12月2日承認(BLA 021859、Halozyme) | 動物臓器を使わず製造。保存剤を含まない |
アレルギーリスクをどう読むか
The Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology 誌に掲載された美容領域向けガイドライン(King M、Convery C、Davies E、2018年、version 2.4)は、遺伝子組換えヒト型について「一部のウシ由来製剤より100倍高い純度」と記述し、アレルギー反応のリスクがより低い可能性に触れています。前出の Locke らのレビューも、rHuPH20 は動物由来製剤に伴うアレルギーや免疫原性の問題と結び付けられていないと述べています。
ただし、これは「ゼロ」という意味ではありません。同じ Locke らのレビューは、抗 rHuPH20 抗体が検出されること自体はあると記しており(頻度は低く有害事象との関連は認められず、中和抗体の報告はないとされています)、Hylenex の FDA 添付文書も禁忌として過敏症を挙げ、副作用の項に「アレルギー反応およびアナフィラキシー様反応がまれに報告されている」と明記しています。
海外事情:承認されている国と、その効能・効果

米国での位置づけ
Hylenex recombinant の FDA 添付文書(2024年1月改訂版)が定める効能・効果は、次の3つです。
- 補水を目的とした皮下輸液の補助
- 他の注射薬の拡散と吸収を高めるための補助
- 皮下尿路造影で造影剤の吸収を改善するための補助
同添付文書には、ヒアルロン酸フィラーを溶かす用途に関する記載はありません。警告の項には局所感染の拡大と眼への障害が挙がっており、禁忌は過敏症です。
英国での位置づけ
英国の医薬品情報データベース emc に掲載された Hyalase 1500 I.U. の製品概要(SmPC)では、皮下注射・筋肉注射・局所麻酔・皮下輸液の浸透を高めること、組織内の余分な体液や血液の吸収を促すことが適応とされています。禁忌としてヒアルロニダーゼへの過敏症、静脈内注射での使用、虫刺されの腫れを抑える目的での使用、感染や悪性腫瘍のある部位への使用などが列挙され、角膜への直接適用も避けるよう記載があります。まれにアナフィラキシーを含む重篤なアレルギー反応が報告されているとも書かれています。
フィラー溶解はどの国でも適応外使用
ここが見落とされやすい点です。米国でも英国でも、ヒアルロニダーゼ製剤の承認された効能・効果に「美容目的で注入されたヒアルロン酸を溶かすこと」は含まれていません。StatPearls も、ヒアルロン酸を成分とする美容フィラーの解除を適応外(off-label)の用途として記載しています。前出の JCAD ガイドラインも、過剰注入・しこり・チンダル現象・アレルギー反応への使用は正式な承認がないまま行われており、インフォームド・コンセントのもとで患者の利益と自己決定が尊重される場合に許容される、という立場をとっています。
つまり「海外では承認されている治療」という説明は、正確ではありません。海外で承認されているのは薬そのもので、フィラー溶解という使い方ではない、という区別が必要です。
国内事情:日本でrHuPH20はどう扱われているか

「ボルヒアルロニダーゼ アルファ」として承認されている
日本でも rHuPH20 に相当する成分は承認されています。一般名は「ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)」です。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医療用医薬品情報で確認できるのは、たとえば次の製剤です。
- ダラキューロ配合皮下注(ヤンセンファーマ):ダラツムマブとの配合剤。2021年3月23日に多発性骨髄腫を効能・効果として承認、2021年8月25日に全身性ALアミロイドーシスが追加、2025年11月20日には高リスクくすぶり型多発性骨髄腫の進行遅延が追加
- ヒフデュラ配合皮下注(アルジェニクスジャパン):エフガルチギモド アルファとの配合剤。2024年1月18日に全身型重症筋無力症を効能・効果として承認、2024年12月27日に慢性炎症性脱髄性多発根神経炎が追加
いずれも、抗体医薬を点滴ではなく皮下注射で投与できるようにするために配合されたものです。ボルヒアルロニダーゼ アルファが皮下組織のヒアルロン酸を一時的にほどき、大きな容量の薬液を皮下に入れられるようにする、という役割になります。
美容目的の溶解注射は、承認された効能・効果の外側
ここが国内事情の核心です。日本で承認されているボルヒアルロニダーゼ アルファ含有製剤は、いずれも抗体医薬との配合皮下注であり、その効能・効果は多発性骨髄腫や全身型重症筋無力症といった疾患の治療です。美容目的でヒアルロン酸フィラーを溶かすことは、これらの承認された効能・効果には含まれません。
そのため、日本の美容クリニックで行われているヒアルロン酸溶解注射は、医師が個人輸入した海外製剤を用いる自由診療という形をとるのが一般的です。使用する製剤がヒツジ由来なのか遺伝子組換えヒト型なのかも、施設ごとに異なります。
広告のルールと、健康被害が起きたときの制度
厚生労働省の「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」(令和6年9月13日一部改正)では、未承認医薬品等を用いた自由診療をウェブサイトで扱う場合、限定解除の要件として次の内容を明示するよう求めています。
- 未承認医薬品等であること
- 入手経路等(医師の個人輸入による場合はその旨)
- 同一成分・同一性能の国内承認医薬品等の有無
- 諸外国における安全性等に係る情報
クリニックのページにこれらの記載があるかどうかは、読者側から確認できる分かりやすい目印になります。
もうひとつ知っておきたいのが、医薬品副作用被害救済制度です。PMDA は同制度を「医薬品等を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による健康被害」を対象とする制度と説明し、救済の対象とならない場合として「医薬品等の使用目的・方法が適正であったとは認められない場合」などを挙げています。未承認医薬品を用いた自由診療で健康被害が生じた場合、この公的な救済の枠外になる可能性がある、という前提で判断したいところです。
効果と、期待しすぎないほうがよいこと

ヒアルロニダーゼの注射で期待できるのは、注入されたヒアルロン酸の量を減らし、膨らみすぎた部分やしこり、青みがかって見えるチンダル現象を目立ちにくくすることです。前出の JCAD ガイドラインも、過剰注入・結節・チンダル現象・アレルギー反応をこの薬剤の使いどころとして挙げています。
一方で、量の調整は狙ったとおりに進むとは限りません。酵素は注射した範囲に広がるため、残したい部分のヒアルロン酸まで分解が及ぶ可能性があります。反対に、時間が経って硬く安定したフィラーは反応しにくい場合もあります。1回で完結せず、間隔をあけて複数回に分けることも珍しくありません。
また、ヒアルロン酸以外の物質(いわゆる非吸収性の充填剤)は、この酵素では分解できません。過去に何を入れたか分からないケースでは、まず何が入っているかの見立てから始まります。
ダウンタイムと副作用
注射である以上、刺入部の赤み、腫れ、内出血、痛みといった一般的な反応は起こり得ます。加えて、ヒアルロニダーゼに特有のリスクとしてアレルギー反応があります。
JCAD ガイドラインは、局所反応の発生頻度を0.05〜0.69パーセント、蕁麻疹や血管性浮腫は0.1パーセント未満と記載しています。StatPearls も、報告されているアレルギーの頻度は治療を受けた人の0.1パーセント未満と低いものの、まれにアナフィラキシーの症例が報告されていると述べています。頻度は低くても、起きたときの重さが違う種類のリスクです。
同ガイドラインは、ハチ毒にヒアルロニダーゼが含まれることから、スズメバチやミツバチに刺されてアレルギー反応を起こした既往がある人はリスクが高まると指摘しています。そのうえで、血管障害への緊急使用を除いてはパッチテストを行うべきとし、前腕に20単位を皮内注射して30分後に膨疹やかゆみを観察する手順を示しています。カウンセリングで事前テストの有無を確認する根拠になります。
よくある誤解と、見落としがちなポイント
誤解1:血管閉塞や失明も、ヒアルロニダーゼを打てば助かる
ヒアルロン酸が血管に入ってしまったときの対処としてヒアルロニダーゼが使われるのは事実で、JCAD ガイドラインは血管閉塞に対して450〜1500単位という大量を患部に浸潤させ、1時間間隔で最大4サイクルまで繰り返す高用量パルス法を記載しています。StatPearls も、特に6時間以内の早期投与で皮膚壊死の改善率が78.4パーセントに達したと報告しています。皮膚の血流障害に対しては、早く動くほど意味がある処置です。
ただし、視力障害については話が変わります。Aesthetic Surgery Journal 誌に掲載された Doyon らのレビュー(2024年、44巻10号)は、1906年から2023年までに報告されたフィラーによる視力障害511例を解析し、完全に視力が回復したのは6.0パーセント、部分的な改善が25.8パーセント、回復が得られなかったのが68.2パーセントだったと報告しています。
さらに、症例の70.1パーセントで実施された皮下ヒアルロニダーゼ投与も、球後(眼球の後ろへの)ヒアルロニダーゼ投与も、視力改善との統計的に有意な関連は示されなかったとしています。球後投与が試みられた38例のうち視力が改善したのは2例(5.3パーセント)でした。
「溶かせる薬があるから安心」という説明は、この報告と整合しません。溶解剤の存在は、注入時に血管を避ける技術と解剖の理解を代替するものではない、という理解が現実的です。
誤解2:人由来なら、アレルギーは起きない
rHuPH20 は動物の精巣を原料としないため、異種タンパク質による反応のリスクという点では動物由来製剤と条件が異なります。ただし、Hylenex の FDA 添付文書は過敏症を禁忌に定め、アナフィラキシー様反応がまれに報告されていると記載しています。由来がヒト型であることと、過敏症が起きないことは別の話です。既往歴の申告と、施設側の緊急時対応の備えが前提になります。
向いている人・向かない人
検討する価値がある方の例です。
- ヒアルロン酸注入後に膨らみすぎ、左右差、しこりが気になっている
- 目の下などで青白く透けるチンダル現象が出ている
- 入れた製剤の種類と時期が記録として分かっている
- 1回で終わらない可能性、追加が必要になる可能性を受け入れられる
慎重に考えたい方の例です。
- ヒアルロニダーゼで過去にアレルギー反応が出たことがある
- ハチに刺されて強いアレルギー反応を起こした既往がある
- 注入部位に感染や炎症がある
- 入れた物質がヒアルロン酸かどうか分からない、あるいはヒアルロン酸以外の充填剤の可能性がある
- 妊娠中・授乳中の方(使用の可否は個別に医師へ確認が必要)
費用の考え方(自由診療)
ヒアルロン酸フィラーの溶解は、国内で承認された効能・効果に含まれないため、公的医療保険の対象外です。全額自己負担の自由診療になり、料金は使用する製剤の種類、単位数、必要な回数、麻酔やアフターケアの有無によって施設ごとに変わります。この記事では、一次情報として確認できる公的な価格の基準がないため、具体的な金額は記載しません。
費用を比べるときは、1回あたりの単価だけでなく、追加が必要になった場合の料金、テスト実施の費用、トラブル時の対応が含まれるかどうかまで含めて総額で確認したいところです。前述のとおり、未承認医薬品を用いた自由診療は公的な救済制度の対象外になる可能性がある点も、判断材料に含めておきたい情報です。
カウンセリングで確認したいチェックリスト
国民生活センターが公表している「美容医療サービス」の相談件数は、2024年度が10,744件、2025年度が7,944件と高い水準が続いています(2026年7月31日更新時点)。相談の中には、リスク説明が不十分だったという内容も含まれます。事前の確認事項を紙に書き出して持参する程度の準備をしておきたいところです。
- 使用する製剤は動物由来か遺伝子組換えヒト型(rHuPH20)か、製品名は何か
- その製剤は国内承認薬か未承認薬か。未承認なら入手経路はどこか
- 事前のアレルギーテストを行うか。行わない場合の理由は何か
- アナフィラキシーが起きた場合、その場でどう対応するのか
- 1回で目標に届かなかったときの追加費用と間隔
- 溶かしすぎた場合、どう対処するのか
- 健康被害が生じた場合の公的救済制度の適用可否について、どう説明されているか
- 過去に入れた製剤の記録(製品名・注入日・部位)を医師と共有できているか
そもそも「溶かす」前提を減らすには、最初の注入で製剤選択と注入量を慎重に決めることが効いてきます。ヒアルロン酸注入やボトックスの設計について相談したい方は、BIOTOPE CLINIC 白金でもご相談いただけます。
よくある質問
- Q. rHuPH20は「人の体から採った成分」なのですか。
- いいえ。ヒト由来の遺伝子情報をもとに培養細胞でつくられた組換えタンパク質で、人や動物の臓器から抽出したものではありません。米国では Hylenex recombinant として2005年12月2日に承認されており、日本でも「ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)」という一般名で、抗体医薬との配合皮下注の成分として承認されています。
- Q. 日本ではヒアルロン酸溶解注射は承認されているのですか。
- 国内で承認されているボルヒアルロニダーゼ アルファ含有製剤の効能・効果は、多発性骨髄腫や全身型重症筋無力症などの疾患治療で、美容目的のフィラー溶解は含まれていません。美容クリニックでの溶解注射は、医師が個人輸入した未承認医薬品を用いる自由診療という形になるのが一般的です。厚生労働省の医療広告ガイドラインは、こうした場合に未承認である旨や入手経路などをウェブサイトに明示するよう求めています。
- Q. 溶かしたあと、肌のヒアルロン酸がなくなってしまいませんか。
- 酵素の作用は一時的です。Drug Delivery 誌の Locke らのレビュー(2019年)は、rHuPH20 について注射後24時間以内に正常な間質の粘弾性が回復し、炎症性の変化や組織学的な変化は伴わないと記述しています。皮膚のヒアルロン酸が永続的に失われるという性質のものではありません。
BIOTOPE CLINIC 白金へのご相談
気になる症状・治療法は、形成外科専門医・苅部医師にカウンセリングでご相談ください。お一人おひとりの肌・お悩みに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
所在地: 東京都港区白金 / 監修: 苅部 淳 医師(形成外科専門医)
まとめ
rHuPH20 は、動物の臓器を原料とせずにつくられる遺伝子組換えヒト型のヒアルロニダーゼで、純度や免疫原性の面で動物由来製剤と条件が異なることが文献で示されています。ただし過敏症が禁忌である点は動物由来と共通で、事前のアレルギー確認と緊急時の備えは欠かせません。
そして、海外で承認されているのはあくまで薬そのもので、ヒアルロン酸フィラーを溶かすという使い方は米国でも英国でも適応外です。日本国内でも、承認されているのは抗体医薬と配合された皮下注製剤であり、美容目的の溶解は承認された効能・効果の外側にあたります。未承認医薬品を用いた自由診療になること、公的な救済制度の対象外になる可能性があることを理解したうえで、使用する製剤名と入手経路まで説明してくれる医師と相談したいところです。
気になる方はカウンセリングでご相談ください。麹町皮ふ科•形成外科クリニック、BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でもご相談いただけます。
References
- U.S. Food and Drug Administration『HYLENEX recombinant (hyaluronidase human injection) Prescribing Information』2024 出典
- U.S. Food and Drug Administration, Drugs@FDA『HYLENEX RECOMBINANT (BLA 021859) 承認情報』 出典
- U.S. Food and Drug Administration, Drugs@FDA『VITRASE (BLA 021640) 承認情報』 出典
- U.S. Food and Drug Administration, Drugs@FDA『AMPHADASE (BLA 021665) 承認情報』 出典
- electronic medicines compendium (emc)『Hyalase 1500 I.U. Powder for Solution for Injection/Infusion 製品概要(SmPC)』Wockhardt UK Ltd 出典
- Daniels P, Patel P.『Hyaluronidase』StatPearls, NCBI Bookshelf, National Institutes of Health、2026 出典
- King M, Convery C, Davies E.『This Month’s Guideline: The Use of Hyaluronidase in Aesthetic Practice (v2.4)』The Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology、2018 出典
- Locke KW, et al.『ENHANZE drug delivery technology: a novel approach to subcutaneous administration using recombinant human hyaluronidase PH20』Drug Delivery、2019 出典
- Doyon VC, Liu C, Fitzgerald R, et al.『Update on Blindness From Filler: Review of Prognostic Factors, Management Approaches, and a Century of Published Cases』Aesthetic Surgery Journal, 44(10)、2024 出典
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)『ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え) 医療用医薬品情報』 出典
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)『エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え) 医療用医薬品情報』 出典
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)『Q7 救済の対象とならない場合とは、どのような場合ですか。』 出典
- 厚生労働省『医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)』令和6年9月13日一部改正 出典
- 国民生活センター『美容医療サービス(各種相談の件数や傾向)』2026年 出典
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監修医師
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