- 【麹町皮ふ科・形成外科クリニック】(市ヶ谷/半蔵門/永田町/千代田区)
- 美容皮膚
- ヒアルロン酸
- ヒアルロン酸注射の効果・持続期間は?国内承認製剤の臨床データで解説
- ヒアルロン酸
- お顔の治療
ヒアルロン酸注射の効果・持続期間は?国内承認製剤の臨床データで解説
2026.08.26
ヒアルロン酸注射の効果はどのくらい続くのか

「ヒアルロン酸を入れてみたいけれど、どのくらい持つのだろう」。カウンセリングを検討している方が最初に気にするのが、この持続期間です。私の外来でもまず持続期間やリスクについて詳しく聞きたいという方が非常に多いです。ネット上には「半年」「1年」「2年」とさまざまな数字が並び、どれを信じればよいのか分かりにくくなっています。
実は、国内で承認されているヒアルロン酸製剤には、臨床試験のデータが添付文書という公的な文書に記載されています。何週間後にどれだけ改善し、何ヵ月後に何割の人が効果を保っていたか。数字の出どころをたどれば、持続期間の目安はかなり具体的に見えてきます。
この記事では、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している承認製剤の添付文書と、厚生労働科学研究費補助金による『美容医療診療指針』をもとに、効果の出方と続き方を整理します。あわせて、見落とされやすいリスクと、施術前に確認しておきたい点もまとめます。
- ヒアルロン酸注入の効果がいつ出て、いつ頃から戻り始めるのか
- 国内承認製剤の臨床試験で示された、6ヵ月・12ヵ月・24ヵ月時点の実際の数字
- 持続期間が人によって変わる理由
- 「入れたヒアルロン酸はすぐ溶かせる」という認識のずれ
- ダウンタイムの実際の長さと、まれに起こる重大なリスク
ヒアルロン酸注入とは(仕組みと特徴)

体内に元からある成分を、ゲルにして注入する
ヒアルロン酸はムコ多糖類の一種で、もともと人の身体を構成している成分の一つです。
『美容医療診療指針(令和3年度改訂版)』は、ヒアルロン酸が器官や種による特異性を持たないため、理論的にはアレルギー反応のリスクはないとしたうえで、注入前の皮内テストは不要と記載しています。
注入に使うのは、体内にあるままの形ではありません。そのままでは短期間で分解されてしまうため、BDDE(1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル)という架橋剤で分子同士をつなぎ、分解されにくいゲル状に加工したものを使います。同指針は、まれに報告されるアレルギー反応について、製剤の生成過程で含まれる少量のタンパク質や、この架橋剤によるものと説明しています。
「留まる」のではなく「ゆっくり分解される」
注入されたヒアルロン酸は、体内のヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)によって緩やかに分解・吸収されます。同指針は、吸収までに要する期間は製剤の性質や生体側の諸条件によって変動すると明記しています。
ここが持続期間を理解するうえでの起点です。ヒアルロン酸は入れっぱなしで固定されるものではなく、注入した瞬間から少しずつ減っていきます。効果が「ある日ぱたりと切れる」のではなく、なだらかに戻っていくのはこのためです。吸収されれば元に戻る、つまり可逆性があることが吸収性フィラーの大きな特長になります。
国内承認製剤は「高度管理医療機器」
ヒアルロン酸注入材は、使用中に障害が起こった場合に生命や健康へ重大な影響を与えるおそれがあるため、適正な管理を要する高度管理医療機器に分類されています。同指針は、この分類を理由に、第一選択として承認品を選択すべきと記載しています。一方で、承認品だけでは多様な施術をカバーしきれないことも事実であり、承認外の製剤も使用されている、とも述べています。
効果はいつ出て、どのくらい続くのか

変化そのものは注入直後から
ヒアルロン酸はゲルの物理的な特性で皮膚のしわを補整するため、変化は注入したその場で現れます。ただし直後は腫れやむくみが重なるため、仕上がりの判断には時間が必要です。
承認製剤の添付文書は、希望する修正効果を得るために、初回処置後1〜2週間後のタッチアップ処置(微調整のための補足注入)が必要になる場合があると記載しています。修正部位に腫脹がある患者では処置時に修正の度合いを判断することが困難な場合があり、1〜2週間後のタッチアップが望ましいとも書かれています。落ち着いた状態を見てから足す、という進め方が想定されているわけです。
しわ・溝への注入:24週の推移と「平均約9ヵ月」
ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XC(医療機器承認番号22700BZX00138000)の添付文書には、米国で行われた前向き・無作為・多施設共同・二重盲検の被験者内対照試験の成績が掲載されています。鼻唇溝(ほうれい線)の重症度を5段階スコアで評価したもので、被験機器側の平均スコアはベースライン2.6から、第2週0.5、第12週0.9、第24週1.2と推移しました。24週の試験期間を通して有意な改善が認められています。
キーワードである「期間」により近いのが、その後の追跡データです。同添付文書のピボタル試験アップデートには、最終処置後に再処置のために来院した時期は平均で約9ヵ月後であったと記載されています。来院時期で群分けした結果は次のとおりです。
- 25〜36週間(6ヵ月〜9ヵ月):92%(59/64)で1スコア以上の改善
- 36〜48週間(9ヵ月〜12ヵ月):83%(20/24)で1スコア以上の改善
- 48週間以降(12ヵ月以降):78%(18/23)で1スコア以上の改善
より粒子の細かいジュビダームビスタ ウルトラ XC(同22700BZX00139000)でも、再処置来院は平均で約9ヵ月後でした。6ヵ月〜9ヵ月で84%(57/68)、9ヵ月以降で75%(36/48)が1スコア以上の改善を保っています。
ボリューム補整:24ヵ月まで追跡されたデータ
頬やこめかみのボリュームを補う目的の製剤では、追跡期間がさらに長くなります。ジュビダームビスタ ボリューマ XC(同22800BZX00338000)の添付文書によると、米国で実施された臨床試験で、6ヵ月時にMFVDS(中顔面のボリューム減少スケール)が1点以上改善した割合は処置群85.6%(178/208)、未処置対照群38.9%(14/36)でした。
延長フォローアップの結果は、9ヵ月86.6%(181/209)、12ヵ月85.2%(173/203)、18ヵ月71.5%(128/179)、24ヵ月67.1%(112/167)です。平均MFVDSスコアはベースライン3.3に対し、24ヵ月時で2.2でした。被験者の自己評価では、年齢の自己認識について平均して6ヵ月時で約5歳、24ヵ月時で約3歳若く見えるという結果が示されています。
12ヵ月あたりまでは8割台を保ち、18ヵ月から24ヵ月にかけて緩やかに下がっていく。この曲線が、ヒアルロン酸の減り方をよく表しています。
製剤による違い(国内承認製剤の比較)
| 製剤名 | 承認番号 | 承認された使用目的 | 注入する層 | 添付文書に記載された追跡データ |
|---|---|---|---|---|
| ジュビダームビスタ ウルトラ XC | 22700BZX00139000 | 顔面の中等度から重度のしわや溝(鼻唇溝等)の修正 | 真皮中層部から深層部 | 再処置来院は平均約9ヵ月後。6〜9ヵ月で84%、9ヵ月以降で75%が1スコア以上改善 |
| ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XC | 22700BZX00138000 | 顔面の中等度から重度のしわや溝(鼻唇溝等)の修正 | 真皮中層部から深層部 | 再処置来院は平均約9ヵ月後。6〜9ヵ月で92%、9〜12ヵ月で83%、12ヵ月以降で78%が1スコア以上改善 |
| ジュビダームビスタ ボリューマ XC | 22800BZX00338000 | 成人の中顔面・下顎部・こめかみの減少したボリュームの増大 | 皮下、骨膜上深部 | 1点以上改善した割合が6ヵ月85.6%、12ヵ月85.2%、18ヵ月71.5%、24ヵ月67.1% |
いずれもPMDAが公開する各製剤の添付文書(2023年8月・第1版)に基づく数値です。試験のデザインや評価スケールが製剤ごとに異なるため、数字を横並びで単純比較することはできません。目的の違い(しわの溝を埋めるのか、ボリュームを補うのか)と、注入する層の違いに注目してご覧ください。
持続期間を左右するもの
添付文書は、修正の度合いや持続期間は患部の特徴、注入部位の組織応力、注入深度および注入手技によると記載しています。つまり同じ製剤でも、どこに、どの深さで、どう入れるかで結果が変わります。よく動く部位ほど分解が進みやすい傾向があり、口元と、あまり動かない頬骨部では持ちが同じにはなりません。
『美容医療診療指針』も、吸収までに要する期間は製剤の性質や生体側の諸条件により変動すると述べています。「この製剤なら誰でも1年」と言い切れないのは、この個人差があるためです。
よくある誤解と、見落としがちなポイント

誤解1:「気に入らなければ、すぐ溶かせるから安心」
ヒアルロン酸は分解酵素で溶かせるという説明はよく見かけます。ただし『美容医療診療指針(令和3年度改訂版)』は、ヒアルロニダーゼ製剤について「本邦未承認」と明記しています。日本国内で美容目的に承認された分解酵素製剤はない、という前提を押さえておく必要があります。
さらに同指針は、ヒアルロニダーゼを注射することで注入されたヒアルロン酸を積極的に分解除去できるとしつつ、その分解程度は製剤によって異なり、分解されにくいものもあると述べています。そのうえで、吸収までに長期間を要したり、ヒアルロニダーゼ製剤に抵抗性を有するヒアルロン酸製剤は、可逆性という長所を失っていることに注意が必要だと指摘しています。
「持ちが良い」と「元に戻しにくい」は表裏一体です。長持ちを重視して選んだ製剤ほど、修正したくなったときの選択肢が狭まる可能性があります。持続期間の話をするときは、戻すときの話もセットで聞いておきたいところです。
誤解2:「顔ならどこにでも同じように使える」
承認製剤には、承認された使用目的の範囲があります。ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XCの添付文書は、使用目的を顔面の中等度から重度のしわや溝の修正としたうえで、「口唇、眼瞼への使用及び隆鼻術等の形状の変更を目的とした使用は本品の適応に含まれない」と明記しています。使用上の注意にも、顔面のしわや溝以外の解剖学的領域(口唇等)への使用は比較臨床試験による安全性および有効性が確立されていないと記載されています。
唇や鼻すじへの注入がすべて不適切という意味ではなく、製剤ごとに承認された範囲が異なるということです。厚生労働省の啓発サイト「その美容医療、ちょっと待って!」は、美容目的の自由診療で用いる薬や材料、機器などは医薬品医療機器等法で承認などがされていない場合があると注意を促しています。どの製剤を、承認範囲内で使うのか適応外で使うのかは、施術前に確認しておきたい点です。
ダウンタイムと副作用

多くの人に出る、一時的な反応
注入部位の反応は、まれなものではありません。ジュビダームビスタ ボリューマ XCの添付文書によると、初回処置後に日誌を記録した被験者265例のうち、何らかの処置部位反応が報告されたのは98.1%(260/265)でした。内訳は圧痛92.1%、腫脹85.7%、硬化82.3%、腫瘤/こぶ81.5%、挫傷/紫斑77.7%、疼痛66.4%、発赤66.0%です。
気になるのは長さでしょう。同添付文書の持続期間の表では、何らかの処置部位反応のうち1〜3日が8.1%、4〜7日が22.3%、8〜14日が24.6%、15〜30日が23.8%、30日超が21.2%でした。反応の種類によって差があり、発赤は59.4%が1〜3日で消えている一方、腫瘤/こぶは16.7%が30日を超えています。
しわ・溝向けの製剤では、より短い傾向が示されています。ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XCの添付文書は、軽度から中程度の注入による反応が出ることがあるが通常2〜3日で消失すると記載し、注入直後から一過性(7日以内)の炎症を伴うことがあるとしています。
まれだが重大なリスク
承認製剤の添付文書は、冒頭の【警告】で「血管内に注入しないこと」と定めています。理由として血管閉塞、塞栓、虚血または梗塞等の原因となることがあると記載されています。
さらに、皮膚の薄い領域および側副血行路が乏しい領域(眼窩縁下方、鼻頬溝、眼窩周囲、眉間、額など)への注入について、血管への誤注入あるいは血管や神経の圧迫等により一過性または非可逆性の視力障害/失明、脳卒中(脳虚血、脳出血、脳梗塞)の誘発、および鼻翼等の壊死、顔面皮下組織の障害を引き起こす可能性があると警告しています。有害事象の項でも、まれに血管内注入または組織圧迫に起因する一過性または非可逆性の失明、脳卒中を誘発すると記載されています。
『美容医療診療指針』は、ヒアルロン酸製剤注入施術の総数および合併症の発生数の把握が困難なため、発生率や有病率等は明らかでないとしています。同時に、最近の症例集積研究では失明が鼻部、眉間部、および前額部への注入に集中しており、顎や口唇といった顔面下部への注入を原因とする失明の報告は少ないことから、顔面内でも危険部位とそうでない部位の存在が明らかになりつつある、と述べています。
添付文書は、注入時または注入直後に視力異常、脳卒中、皮膚青白化、異常な痛みといった兆候がみられたら直ちに注入を止めることを求めています。また、即時に青白化した場合は注入を止め、患部を通常色に戻るまでマッサージすること、青白化は血管閉塞による可能性があることも記載されています。施術中に強い痛みや見え方の異変を感じたら、我慢せずその場で伝えてください。
施術後24時間の過ごし方
添付文書には、処置後24時間は激しい運動や、日光や高温への長時間の曝露、飲酒を避けることと記載されています。注入直後に処置部位が腫れた場合は氷のうで短時間冷却するとも書かれています。予定を組むときは、この24時間を計算に入れておくと安心です。
向いている人・向かない人

承認製剤の添付文書には、使用できない方と慎重な適用が必要な方が具体的に定められています。次のリストで、ご自身に当てはまる項目がないか確認してみてください。
- 製剤の成分またはアミド型局所麻酔剤に過敏症の既往歴がある(使用できません)
- グラム陽性菌由来蛋白に過敏症の既往歴がある(使用できません)
- 炎症反応のある部位や感染部位への注入を希望している(使用できません)
- 妊娠中、産後、授乳中である(安全性および有効性が確立していません)
- 18歳未満である(安全性および有効性が確立していません)
- アナフィラキシーの既往や、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質がある
- 連鎖球菌性疾患の既往歴がある、または心臓合併症を伴う急性リウマチ熱がみられる
- 免疫機能に異常がある、または免疫抑制療法を受けている
- ケロイド形成、肥厚性瘢痕や色素異常症を発症しやすい
- 出血傾向がある、またはアスピリン等の非ステロイド性消炎鎮痛剤やワルファリン等の抗凝固剤を使用している
- レーザー治療、ケミカルピーリング等を受けている、または受ける予定がある
- 心刺激伝導障害、重篤な肝障害または腎障害、ポルフィリン症がある
- すでに他の充填材や永久インプラントで治療した部位への注入を希望している
該当する項目があっても、直ちに施術できないと決まるわけではない項目も含まれます。服用中の薬やお持ちの疾患は、正確に医師へ伝えてください。
効果の性質から考えると、可逆性を重視する方、まず変化を試してみたい方には相性が良い施術です。一方、一度で恒久的な変化を望む方の期待には応えにくくなります。『美容医療診療指針』は、顔のシワ治療へのヒアルロン酸製剤注入について推奨度2(治療を希望する患者には、行うことを弱く推奨する)とし、簡便な施術で改善が期待でき合併症は軽微なものがほとんどであるため推奨できるが、血管内への誤注入による皮膚壊死や失明などの重篤な合併症の報告があるため十分な注意が必要、としています。エビデンスの内訳はA;0、B;1、C;4です。
費用の考え方と、契約時に知っておきたいこと
美容目的のヒアルロン酸注入は自由診療です。
公的医療保険は適用されず、費用は全額自己負担になります。金額は製剤の種類、注入する部位、必要な量によって変わるため、一律の相場を示すことはできません。カウンセリングで、使用する製剤名と本数、タッチアップが必要になった場合の扱いまで含めて見積もりを確認してください。
添付文書は、最適な修正における標準的な総注入量(初回処置およびタッチアップ処置)を処置部位当り1.6mL、再処置においては処置部位当り0.7mLと記載しています(ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XCの場合)。また、患者1人当りの年間使用量は体重60kg当り20mLを限度とし、この量を超える注入の安全性は確立されていないとしています。量の見当をつける参考になります。
契約面では、消費者庁の特定商取引法ガイドが参考になります。美容医療は特定継続的役務提供の対象とされ、期間が1月を超え、金額が5万円を超えるコース契約が規制の対象です。対象となる契約では、法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフが可能とされています。同庁の「特定継続的役務提供(美容医療分野)Q&A」は、美容医療における「医学的処置、手術及びその他の治療」について、医薬品の塗布や注射、患部の縫合等といった人体に対する一定程度の影響を及ぼすもので、医師等の資格を有する者でなければ行えない行為が該当すると説明しています。
国民生活センターに寄せられる美容医療サービスの相談は、2023年度6,281件、2024年度10,744件、2025年度7,944件と推移しています(2026年5月31日までの登録分、同センター2026年7月31日更新)。その場で契約を決めず、持ち帰って考える時間を取ってください。
カウンセリングで確認したいこと
厚生労働省は「確認してください!美容医療を受ける前にもう一度」で、4つの確認事項を挙げています。
「使用する薬などがどのようなものか、自分でも説明できますか?」
「効果だけでなく、リスクや副作用などについても知り、納得しましたか?」
「ほかの方法や選択肢の説明も受け、自分で選択しましたか?」
「その美容医療は『今すぐ』必要ですか?」。
この4つに、製剤特有の項目を足したものが次のリストです。
- 使用する製剤の販売名と、国内承認の有無(承認番号を確認できるか)
- その製剤の承認された使用目的に、今回の注入部位が含まれるか。適応外であればその説明を受けたか
- 注入する量(mL)と、想定される持続期間の根拠
- タッチアップ処置が必要になった場合の時期と費用
- 血管閉塞の兆候(視力異常、皮膚の青白化、異常な痛み)が出たときの連絡先と対応体制
- 万一修正したくなった場合に、その製剤で何ができて何ができないか
- 施術を担当する医師が、注入部位およびその周辺の解剖学的知識を持つか
- ダウンタイムの想定と、予定を空けておくべき期間
添付文書は、考えられる合併症のリスク低減化のため、軟組織注入材に関する十分な知識を有する医師のみが使用すること、また注入部位およびその周辺の解剖学的知識を有する医師であることを求めています。処置前に既往歴を確認し、効能・効果や注意事項、生じうる有害事象を十分に説明することも定められています。壊死や変色といった外見上望ましくない有害事象が起こりうるリスクについても説明対象とされています。
顔全体のバランスを見たうえで、ヒアルロン酸注入のほかにボトックスやHIFUなどを組み合わせる選択肢もあります。『美容医療診療指針』は、顔のシワ・タルミへのボツリヌス菌毒素製剤とヒアルロン酸製剤の併用療法についても推奨度2としています。BIOTOPE CLINIC 白金でも、これらの施術についてご相談いただけます。
よくある質問
- Q. 効果が切れてきたら、どのタイミングで追加すればよいですか
- 承認製剤の添付文書に記載された臨床試験では、最終処置後に再処置のために来院した時期は平均で約9ヵ月後でした。ただしこれは平均値で、部位や製剤、体質によって変わります。効果の実感が薄れてきたと感じた時点で、担当医に相談して判断するのが現実的です。
- Q. 1回で理想の状態まで入れてもらうことはできますか
- 添付文書は、希望する修正効果を得るために初回処置後1〜2週間後のタッチアップ処置が必要になることがあると記載しています。過修正は行わないこととも明記されており、初回で入れきらず段階的に調整する進め方が想定されています。腫れが引いた状態を見てから足すほうが、仕上がりを確認しやすくなります。
- Q. 内出血が出たら、どのくらいで消えますか
- 製剤や部位によって幅があります。ジュビダームビスタ ボリューマ XCの添付文書では、挫傷/紫斑の持続期間は1〜3日が24.8%、4〜7日が30.6%、8〜14日が29.6%、15〜30日が14.6%でした。大事な予定の直前は避け、2週間程度の余裕を見ておくと安心です。
BIOTOPE CLINIC 白金へのご相談
気になる症状・治療法は、形成外科専門医・苅部医師にカウンセリングでご相談ください。お一人おひとりの肌・お悩みに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
所在地: 東京都港区白金 / 監修: 苅部 淳 医師(形成外科専門医)
まとめ
ヒアルロン酸注入の効果は、注入直後から現れ、1〜2週間で落ち着き、そこからゆっくり戻っていきます。国内承認製剤の添付文書に記載された臨床試験では、しわ・溝への注入で再処置来院までが平均約9ヵ月、ボリューム補整では24ヵ月時点でも67.1%が1点以上の改善を保っていました。ただしこれらは平均値であり、修正の度合いや持続期間は患部の特徴、注入部位の組織応力、注入深度および注入手技によって変わります。
持続期間だけで製剤を選ぶと、見えにくい部分を取りこぼします。長く持つ製剤ほど修正しにくくなる可能性があること、国内では美容目的のヒアルロニダーゼ製剤が承認されていないこと、製剤ごとに承認された使用目的の範囲が決まっていること。この3点は、数字の裏側にある大切な情報です。
そして、まれではあるものの血管閉塞による重大な合併症が報告されています。施術を受ける医療機関を選ぶときは、価格や持続期間の説明だけでなく、リスクとその対応体制まで具体的に語ってくれるかを見てください。
気になる方はカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でもご相談いただけます。
References
- 添付文書『ジュビダームビスタ ウルトラ プラス XC』アッヴィ合同会社、2023年(医療機器承認番号22700BZX00138000、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医療機器添付文書等情報) 出典
- 添付文書『ジュビダームビスタ ウルトラ XC』アッヴィ合同会社、2023年(医療機器承認番号22700BZX00139000、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医療機器添付文書等情報) 出典
- 添付文書『ジュビダームビスタ ボリューマ XC』アッヴィ合同会社、2023年(医療機器承認番号22800BZX00338000、独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医療機器添付文書等情報) 出典
- 『美容医療診療指針(令和3年度改訂版)』厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発推進研究事業、日本美容外科学会会報 Vol.44 特別号、2022年 出典
- 『その美容医療、ちょっと待って!』厚生労働省、2025年(2026年3月更新) 出典
- 『確認してください!美容医療を受ける前にもう一度』厚生労働省 出典
- 『美容医療に関する取扱いについて』厚生労働省、令和6年(2024年)11月22日 出典
- 『美容医療サービスに関するトラブル(各種相談の件数や傾向)』独立行政法人国民生活センター、2026年7月31日更新 出典
- 『特定継続的役務提供』特定商取引法ガイド、消費者庁 出典
- 『特定継続的役務提供(美容医療分野)Q&A』消費者庁 出典
関連記事
本記事と合わせて読みたい記事はこちらです。
- 涙袋ヒアルロン酸の費用・持続期間は?効果とダウンタイムを解説
- ヒアルロン酸でほうれい線を改善する方法|費用・効果・副作用
- しわ注射ボトックスとヒアルロン酸の違いを徹底解説
- 「ほうれい線」へヒアルロン酸を注入するデメリットはある?メリットから副作用まで徹底解説
- ヒアルロン酸を溶かすデメリットとリスクを徹底解説
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
苅部 淳 理事長の発信
関連クリニックの発信
Other関連記事

- ヒアルロン酸
- お顔の治療
ヒアルロン酸を溶かすデメリット|知っておきたいリスクと注意点
2026.08.26
ヒアルロン酸を溶かす処置(ヒアルロニダーゼ注射)のデメリットを医師監修で解説。自然なヒアルロン酸まで溶ける可能性、アレルギー反応、ダウンタイムなど見落とされやすいリスクを詳しく紹介します。

- お顔の治療
Morpheus8モフィウスの効果とダウンタイムを解説
2026.08.26
Morpheus8(モフィウス8)の効果・ダウンタイム・必要回数を医師が解説。RF高周波とマイクロニードルを組み合わせた施術の仕組み、向いている肌悩み、費用目安をまとめました。

- しわ
- お顔の治療
ボトックスの効果・持続期間は?眉間・目尻の国内臨床データで解説
2026.08.26
ボトックスの効果と持続期間を、国内承認のボトックスビスタ注用50単位の電子添文(2025年3月改訂・第3版)と美容医療診療指針をもとに整理しました。眉間・目尻の国内臨床試験で示された持続期間の実数、効果が薄れていく仕組み、3か月以内の再投与を避ける理由、承認されている部位の範囲、副作用と禁忌まで解説します。
Categoryカテゴリー
Archiveアーカイブ
- 2026年8月 (21)
- 2026年7月 (21)
- 2026年6月 (40)
- 2026年5月 (4)
- 2025年11月 (13)
- 2025年8月 (4)
- 2025年7月 (5)
- 2025年6月 (1)
- 2025年5月 (4)
- 2025年4月 (6)
- 2025年3月 (8)
- 2025年2月 (11)
- 2025年1月 (8)
- 2024年12月 (12)
- 2024年11月 (3)
- 2024年10月 (6)
- 2024年9月 (13)
- 2024年8月 (2)
- 2024年5月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年2月 (7)
- 2023年1月 (5)
- 2022年12月 (11)
- 2022年11月 (10)
- 2022年10月 (3)
- 2022年9月 (3)
- 2022年8月 (2)
- 2022年7月 (3)
- 2022年6月 (7)
- 2022年4月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2020年9月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年5月 (1)
- 2020年4月 (2)
- 2020年2月 (1)
- 2020年1月 (1)
- 2018年3月 (3)
- 2018年2月 (3)

