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ICI療法(陰茎海綿体注射)の効果・費用・クリニック選びを解説
2026.06.07
ICI療法(陰茎海綿体注射)とは?ED治療への効果・費用・クリニック選びを解説
「飲み薬を試したけれど十分な効果を感じられなかった」「薬の副作用が心配で別の方法を探している」——ED(勃起不全)のお悩みを抱えながらも、なかなか相談の場を見つけられずにいる方は少なくありません。そのような方に知っていただきたい選択肢のひとつが、ICI療法(陰茎海綿体注射療法)です。
この記事では、ICI療法の仕組みから効果・費用・ダウンタイム・クリニックの選び方まで、ED治療に関心をお持ちの方が知りたい情報をまとめてお伝えします。
- ICI療法(陰茎海綿体注射)とはどのような治療法か
- どのくらいの効果が期待できるのか
- 副作用・リスクと注意点
- 費用の目安と保険適用の有無
- 向いている人・向かない人の違い
ICI療法(陰茎海綿体注射)とは?仕組みと特徴
ICI療法とは、Intracavernous Injection(陰茎海綿体注射)の略称で、陰茎の海綿体(勃起に関わる組織)に直接薬剤を注射することで勃起を促す治療法です。経口薬(PDE5阻害薬)とは異なり、全身を介さず局所に直接作用するため、経口薬が効きにくい方にも効果が期待できるとされています。
主に使用される薬剤はアルプロスタジル(プロスタグランジンE1)と呼ばれる血管拡張作用を持つ物質で、注射後10〜20分程度で作用が現れることが多いとされています。薬剤が海綿体の平滑筋を弛緩させ、血流を増加させることで勃起状態が生じる仕組みです。
経口薬との違い
バイアグラ・シアリスなどのPDE5阻害薬(経口薬)は、性的刺激があって初めて作用します。一方、ICI療法は性的刺激がなくても薬理的に勃起を誘発できる点が大きな違いです。そのため、神経障害を伴う方や血管性EDの方でも効果が期待しやすい治療とされています。
ただし、自己注射が必要なことや、適切な使用方法の習得が必要なことなど、経口薬とは異なる管理が求められます。クリニックでの丁寧な指導のもと、安全に取り組むことが大切です。
ICI療法の効果・期待できる変化
ICI療法は、ED治療の中でも比較的高い有効率が報告されている治療法のひとつです。European Urology誌に掲載された大規模レビュー(Shabsigh et al.)では、アルプロスタジル単剤でのICI療法において約70〜90%の患者で良好な勃起反応が得られたという報告があります。経口薬に反応しなかった方にも有用性が認められているとされており、難治性のEDに対しても選択肢として挙げられることがあります。
効果が現れるまでの時間と持続
注射後は一般的に10〜20分以内に勃起が生じ、効果の持続時間は使用する薬剤の種類・用量によって異なりますが、30〜60分程度が目安とされています。用量は担当医師が個々の状態に合わせて調整するため、初回は少量から始め、反応を見ながら慎重に増減していきます。
長期的な使用について
ICI療法は必要なときに使用する「オンデマンド(必要時)」の治療です。継続使用による治癒効果を目的とするものではありませんが、適切に使用することで長期にわたりEDのQOL(生活の質)改善に役立てている方も多くみられます。
苅部医師のコメント
当院の外来では、「経口薬を服用してきたが思うような結果が得られなかった」「薬の胃腸症状や頭痛が辛くて飲み続けられない」というご相談が増えています。ICI療法は局所への直接作用のため全身性の副作用が出にくく、経口薬から切り替えを検討される方に向いている場合があります。一方で自己注射という心理的なハードルもあるため、初回は丁寧に練習を重ね、ご自身のペースで習得していただくことを大切にしています。
副作用・リスクとダウンタイム
ICI療法は有効性が高い反面、適切に管理しないと起こりうる副作用もあります。事前にしっかり把握しておくことが安心につながります。
主な副作用
- 注射部位の疼痛・内出血:最も頻度の高い副作用で、注射後に一時的な痛みや内出血が生じることがあります
- 持続勃起症(プリアピズム):勃起が4時間以上続く状態で、まれに起こりますが、放置すると組織障害につながる可能性があるため、4時間を超えた場合は速やかに医療機関を受診する必要があります
- 線維化:長期・高頻度の注射により注射部位に硬結(しこり)が生じることがある
- 血圧低下:薬剤の血管拡張作用により、ごくまれに血圧が低下することがあります
ダウンタイムについて
日常生活への影響は比較的少なく、治療後すぐに通常の行動が可能なことがほとんどです。ただし、注射部位への強い圧迫や激しい運動は当日控えることが推奨されます。治療頻度は医師の指示に従い、一般的には週2〜3回以内とされることが多いです。
ICI療法の比較:他のED治療との違い
| 項目 | ICI療法(海綿体注射) | 経口薬(PDE5阻害薬) | 低強度衝撃波療法(LI-ESWT) |
|---|---|---|---|
| 作用の仕組み | 海綿体へ直接作用 | 全身血管への薬理作用 | 血管新生・組織修復 |
| 効果の即効性 | 高い(10〜20分) | 比較的高い(30〜60分) | 複数回施術後に効果 |
| 性的刺激の必要性 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 使用方法 | 自己注射(要指導) | 服薬 | クリニック通院 |
| 費用目安(1回) | 5,000〜15,000円程度 | 1,000〜3,000円程度 | 10,000〜30,000円程度 |
| 向いている方 | 経口薬無効・神経障害性ED | 軽〜中等度ED全般 | 根本改善を望む方 |
ICI療法に向いている人・向かない人
向いている可能性が高い方
- PDE5阻害薬(バイアグラ・シアリス等)が効きにくかった方
- 硝酸塩系薬剤(狭心症薬など)を服用しており経口薬が使えない方
- 糖尿病・前立腺手術後・脊髄損傷などによる神経障害性EDの方
- 即効性を求める方
- 自己注射の手技を習得できる方
慎重な対応が必要な方・向かない可能性がある方
- 抗凝固薬を服用中の方(出血リスク)
- 鎌状赤血球症・白血病など持続勃起症リスクが高い疾患をお持ちの方
- 陰茎の解剖学的異常(陰茎彎曲など)のある方
- 自己注射に強い抵抗や恐怖がある方
向き不向きは個人差が大きいため、必ず事前に医師との十分なカウンセリングを行うことが重要です。
見落としがちなポイント・よくある誤解
誤解①「自己注射は痛くて怖い」
陰茎への注射と聞いてためらう方は多いですが、使用する針は非常に細いもの(27〜30ゲージ程度)で、正しい手技を習得すれば痛みは軽微なことが多いとされています。クリニックでのトレーニングセッションで手技を習得してから自己注射に移行するため、いきなり自分で行うわけではありません。
誤解②「ICI療法はEDを根本的に治す治療」
ICI療法はあくまでも「必要なときに使用する対症療法」であり、EDそのものの根本原因を取り除く治療ではありません。EDの背景には生活習慣病・ホルモンバランス・心理的要因などが複合していることも多く、根本的なアプローチを希望される方には、生活習慣の改善や他の治療法との併用も検討に値します。
当院では、EDのお悩みに対して予防医療の観点からも包括的にサポートしております。栄養状態の評価や点滴療法など、内側からのアプローチも含めた相談窓口としてご活用いただけます。
ICI療法の費用の目安
ICI療法は自由診療(保険適用外)となるため、費用はクリニックによって異なります。一般的な目安として、初診・カウンセリング料・薬剤費・手技指導を含めると以下のような費用感が多いとされています。
- 初診・カウンセリング料:3,000〜10,000円程度
- 薬剤・処方費用(1回あたり):5,000〜15,000円程度
- 手技指導料(初回のみ):3,000〜10,000円程度
使用する薬剤の種類(アルプロスタジル単剤か混合製剤かなど)や用量によっても費用は変動します。また、複数回分をまとめて処方するパッケージプランを設けているクリニックもあります。費用の詳細はカウンセリング時に確認されることをおすすめします。
クリニックの選び方
ICI療法を受けるクリニックを選ぶ際は、以下のポイントを確認すると安心です。
- 泌尿器科・形成外科・美容医療の専門医が在籍しているか
- 副作用への対応体制が整っているか(持続勃起症時の緊急対応など)
- 丁寧な手技指導・フォローアップが受けられるか
- カウンセリングで納得するまで説明を受けられる環境か
- 費用・使用薬剤・方針が透明に開示されているか
男性の性機能に関する悩みはデリケートな問題であり、医師との信頼関係が治療成果にも影響します。「話しやすい」「丁寧に説明してくれる」と感じられるクリニックを選ぶことが大切です。
よくある質問
- Q. ICI療法は毎回クリニックに行く必要がありますか?
- 手技習得後は自宅で自己注射が可能です。初回はクリニックで医師・スタッフの指導のもと正しい手技を習得していただき、その後は処方された薬剤を自宅で使用していただく形が一般的です。定期的なフォローアップ診察はクリニックにて受けることが推奨されます。
- Q. 経口薬との併用はできますか?
- 医師の判断によっては、PDE5阻害薬とICI療法を組み合わせるケースもあります。ただし自己判断での併用は危険なため、必ず担当医師に相談のうえ指示に従ってください。使用薬剤の相互作用なども含め、個別に評価が必要です。
- Q. 何歳から受けられますか?年齢制限はありますか?
- ICI療法に明確な年齢上限はなく、身体の状態や基礎疾患の有無をもとに医師が適応を判断します。高齢の方でも適応と判断されれば受けられる場合があります。一方で、基礎疾患や服用薬によっては慎重な対応が必要なため、既往歴・服薬内容を正直にお伝えいただくことが大切です。
まとめ
ICI療法(陰茎海綿体注射)は、経口薬では十分な効果が得られなかった方や、神経障害・糖尿病合併症によるEDをお持ちの方にとって、有力な選択肢となり得る治療法です。即効性が期待でき、適切な指導のもとで自己注射を習得すれば生活の質の向上に役立てていただける可能性があります。
一方で、副作用リスクや使用方法の習得、費用面なども踏まえたうえで、医師と二人三脚で取り組むことが重要です。EDの背景にある原因によっては、生活習慣の見直しや予防医療的アプローチとの組み合わせが効果的なケースもあります。
男性の性機能に関するお悩みは一人で抱え込まず、専門家への相談が解決への第一歩です。気になる方はカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(東京都港区白金)でも、男性のお悩みに寄り添いながら、患者様の状態やご希望に合わせた治療の方向性をご提案いたします。
References
- Shabsigh R, et al. Intracavernous alprostadil alfadex is more efficacious, better tolerated, and preferred over intraurethral alprostadil plus optional actis: a comparative, randomized, crossover, multicenter study. Urology. PubMed
- Linet OI, Ogrinc FG. Efficacy and safety of intracavernosal alprostadil in men with erectile dysfunction. N Engl J Med. 1996;334(14):873-877. PubMed
- Porst H. The rationale for prostaglandin E1 in erectile failure: a survey of worldwide experience. J Urol. 1996;155(3):802-815. PubMed
- Hatzimouratidis K, et al. EAU Guidelines on Male Sexual Dysfunction: Erectile Dysfunction and Premature Ejaculation. Eur Urol. 2010;57(5):804-814. PubMed
- McMahon CG. Priapism. J Sex Med. 2022. (ICI療法と持続勃起症リスクに関する総説)PubMed検索
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。気になる症状・お悩みがある場合は専門医にご相談ください。
参考:日本美容外科学会(JSAPS)/日本皮膚科学会
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