年齢を重ねるにつれて顔のたるみが気になっている方も多いでしょう。

顔のたるみは原因に応じて対策をおこなえば、予防や改善できるのをご存知ですか？
さらには美容医療の施術を受ければ高い効果が期待できます。

この記事では、顔のたるみの原因や改善方法、美容医療の施術の種類などを解説しています。顔のたるみをどうにかしたいと悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。

顔のたるみとは

顔のたるみは肌のハリや弾力が失われると出るもので、加齢など、さまざまなことが原因で顔の皮膚・筋肉・脂肪が下垂し、顔全体がたるんだ状態となります。
頬やあごのライン、目元、ほうれい線といった口元やフェイスラインなどに現れ、老けた印象を与えてしまいます。

年代によっても顔のたるみに特徴があります。
年齢別に解説していきます。

年齢別による顔のたるみの違い

30代

30代は徐々に顔のたるみが出始める頃です。加齢により皮膚の内側にあるコラーゲンやエラスチンが減少して肌のハリがなくなってきます。さらに表情筋の衰えも重なり、たるみを生じます。

＜気になる状態＞
・頬の毛穴が気になる
・ほうれい線が出てきたかも
・顔全体のハリがなくなってきたような気がする

40代

40代は30代よりもさらに骨格が萎縮し筋力が衰えます。コラーゲンやエラスチンもさらに減少するため肌のハリや弾力が低下しているところに、表情筋の筋力低下で筋肉や皮膚を支えられなくなります。小じわやほうれい線が気になってくる年代です。

＜気になる状態＞
・目の下の涙袋が目立ってきた
・二重まぶたの幅があいまいになってきた
・ほうれい線やマリオネットラインが目立つようになった
・頬の毛穴が目立ってきた

50代

50代では口元のたるみを強く感じます。コラーゲンやエラスチンが減少し続けるとともに、表情筋や皮下脂肪が減少してきます。そして更年期以降は女性ホルモンの減少により骨密度が低下。すると顔の骨は小さく萎縮してしまいます。これらによって顔のたるみがより顕著となるのです。

＜気になる状態＞
・フェイスラインにシャープさがない
・二重アゴになってきた
・マリオネットラインが目立つ
・頬に段差が出てきた

60代

60代になると、フェイスラインとともに首のたるみも目立ってきます。50代までの顔のたるみの原因となっている現象がすべて進行していくためです。加齢により角質層は20〜30代よりも厚く硬くなるので、若い世代と同じようなスキンケアをしても美容保湿成分が届きにくくなります。

＜気になる状態＞
・目の周りやほうれい線などのしわが深い
・目の下のたるみが大きくなり目立つ
・頬のこけた分がフェイスラインに流れ、たるみが出ている
・たるみで顔の形が変わった

顔のたるみの原因

顔がたるんでくる原因は1つではありません。複数が絡み合ってたるみとなります。ここでは顔のたるみの原因を下記に沿って説明します。

乾燥

肌が乾燥すると皮膚の内側にある美肌成分が減少して、顔のたるみが出てきます。
皮膚の内側にある真皮層には、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸が存在します。コラーゲンは真皮層の約70％を占めている繊維状のタンパク質です。コラーゲンが肌を内側から支えてハリを出し、エラスチンは弾力、ヒアルロン酸は水分を保持します。

肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下し、ターンオーバーに乱れが出てきます。するとコラーゲンなどの美肌成分を作る能力が低下して、肌のハリや弾力がなくなりたるみが出現するのです。

紫外線

紫外線は皮膚を軽いやけど状態にして肌にダメージを与えるので、肌のハリが保てず顔のたるみにつながります。

紫外線には波長が違う「UV-A」と「UV-B」の2種類あり、顔のたるみを引き起こすのは波長の長い「UV-A」です。波長が長いので真皮層にまで届き、コラーゲンやエラスチンを壊してしまい肌のハリや弾力が失われます。

筋力の低下

年齢を重ねるごとに筋肉は衰えてきます。顔の表情筋も同じように衰えるため、重力に逆らえずたるみを生じてしまいます。また、若い世代でも表情筋を使う機会が少ないと衰えてしまうので油断はできません。

筋肉の上には脂肪と皮膚が重なっています。筋肉が衰えると、当然ながら脂肪と皮膚を支えきれなくなりたるみになります。表情筋は鍛えるのがむずかしい筋肉で、日頃から意識して動かさなければ衰える一方です。

姿勢

見過ごされがちですが、日頃の姿勢が顔のたるみと大きく関係しています。猫背や巻き肩、頬杖をつく習慣といった姿勢の悪さ・偏りは、骨格を歪ませたり筋肉のコリが生じたりして顔のたるみを引き起こすのです。

骨格の上には筋肉、脂肪、皮膚が重なっています。土台の骨格が歪むと、当然上に重なっているものにまで影響をおよぼし顔のたるみを引き起こします。

さらに骨格が歪むと通常の筋肉の状態ではなくなるため、負荷がかかる部分が発生し顔の筋肉が下に引っ張られてしまいたるみが発生。全身の骨格の歪みが顔に影響を与えます。

顔のたるみの改善方法

さまざまな原因から顔のたるみが生じます。原因への対策が可能であれば、顔のたるみ改善が可能です。顔のたるみに気づいたら早い段階から対策していきましょう。

保湿ケア

肌の乾燥は顔のたるみの原因であるため、保湿ケアが重要です。

肌のハリや弾力は真皮層にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸によって保たれます。しかしコラーゲンやエラスチンなどが加齢によって減少したり、紫外線によるダメージで破壊されると肌の乾燥は進みハリや弾力が失われていきます。

肌が乾燥しないように、洗顔やクレンジングは肌に優しいものを使用した上で、肌摩擦を起こさないようにやさしく洗ってください。洗い流すのはぬるま湯にし、熱めのお湯は避けましょう。その後はすぐに化粧水、美容液、乳液、クリームで保湿をします。

角質層にも存在している「セラミド」は、皮膚の保湿や柔らかさを維持する働きがあります。このセラミドを多く配合している化粧水や美容液を使うと効果的です。

また、肌に必要な栄養素（タンパク質、アミノ酸、コラーゲン、ビタミン）が多く含まれている食品を意識的に取るようにしましょう。肌の内側からのアプローチも大切です。

表情筋トレーニング

顔のたるみは表情筋の衰えも原因の一つです。筋肉は使わなければ衰える一方ですが、トレーニングで鍛えられるので顔のたるみを改善できます。

目のまわり

人差し指を眉にあて、おでこが動かないようにセットします。おでこにしわが寄らないように、まぶたの力だけで目を見開いて5秒間キープしてください。その後、ゆっくりと目を細めて5秒間キープします。

頬

まぶたの力だけで目を見開きます。次に上の歯すべてが見えるように頬と口角を上げてください。両手で両頬を持ち上げるように5秒キープしたら、手を離して5秒間キープします。

口のまわり

唇をすぼめて突き出します。そのままの状態で唇を右側に寄せたら、次は左側に寄せます。

フェイスライン

舌を口から前へ突き出して5秒間キープします。舌を戻したら左肩を右手で押さえて、顔だけ右を向いて舌を突き出します（左の首筋が伸びる感じるくらい）。5秒間キープしてください。反対側も同様におこないます。

機器やグッズ

顔のたるみを改善するための機器やグッズを使用するのも方法の一つです。
超音波美顔器や美顔ローラー、マッサージ機、リフトアップ効果のあるマスクなどいろいろな商品が販売されています。しかし医療用品ではないこともあり、効果に乏しい場合やたるみを悪化させてしまう可能性もあります。使用に関しては取扱説明書の通りにおこなってください。商品の故障でもない限り結果は自己責任です。

たるみ治療の施術を受ける

美容クリニックには顔のたるみを改善する施術があります。医学的施術であるため、セルフケアで対策を講じるよりも効果は高いでしょう。施術には皮膚切開が必要な外科的なものから、注射や高周波を照射するようなダウンタイムが少なく気軽に受けやすい治療までいろいろあります。

たるみ治療の施術一覧

顔のたるみに効果のある施術を紹介します。どれも美容クリニックで施術を受けられますが、クリニックによってはおこなっていない施術もありますので事前に確認しておきましょう。

切開リフト

切開リフトはその名の通り、皮膚に切開を加えて余分な皮膚を切除する方法です。たるんでいる皮膚を切除したあとは、ゆるくなった筋肉を持ち上げて縫合するためリフトアップが可能です。効果は5〜10年で長期間持続します。※効果は個人差はあります

体への負担が大きいためダウンタイムが長く、こめかみや髪の生え際に傷が残るデメリットがあります。

糸リフト

糸リフトはスレッドリフトとも呼ばれ、メスを使わずに糸を使ってリフトアップする方法です。手術でも使用される体内で溶ける素材でできたトゲのある糸を、耳の上あたりから針で挿入します。

糸でたるみを直接引き上げるため、施術直後から効果を実感できます。そして糸が溶けて吸収されていく過程で、コラーゲンの増生を促すために徐々に肌にハリが出てくるのを実感してくるでしょう。効果の持続期間は1〜2年です。※効果は個人差はあります

ハイフ（HIFU）

ハイフ（HIFU）は高密度焦点式超音波を使って施術します。皮膚の土台であるSMAS筋膜まで深くエネルギーを届けられる唯一の機械です。皮膚表面〜脂肪層までは影響を与えず、SMAS筋膜のみピンポイントで照射できます。深さの設定をすれば真皮層、脂肪層への照射も可能です。

照射による熱エネルギーで損傷した部位を修復しようとするため繊維化が起こります。繊維化すると引き締まり、脂肪層より上の部分をしっかりと支えられるようになります。そしてコラーゲンやエラスチンの増生されるため、肌のハリ・弾力をアップさせるのも可能です。

効果は3〜6か月継続します。定期的に施術を受ける必要があります。

サーマクール

サーマクールは高周波を使用する機械です。皮膚表面へはダメージを与えずに脂肪層まで広範囲にエネルギーを届けられます。高周波によって発生した熱により、真皮層の線維芽細胞が刺激を受けてコラーゲン、エラスチンを増生し肌のハリや弾力をアップさせます。そして脂肪層の繊維物質を縮めて引き締めるために顔のたるみが改善できるのです。

コラーゲンやエラスチンの増生に時間を要するので、効果が出るまで2〜3か月程度かかります。効果の持続期間は半年〜1年程度であるため、この期間に合わせて追加の施術をする必要があります。

ボルニューマ

高周波を使ったたるみ治療機です。肌のハリを向上させ、肌の引き締めもおこない、たるみを改善できます。

モノポーラタイプであるボルニューマは、電気の流れを受け止める対極板が必要です。照射チップと対極板の間を電気が流れるため、チップの大きさの範囲で脂肪層まで均一に熱を与えられます。

照射チップを変えると顔全体、目元、あご、首など色々な部位に対応できます。さらに照射チップは丸みを帯びているため、凹凸があっても密着させやすくムラのない照射が可能です。

フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーは高出力のレーザーを皮膚表面に点状に照射して、真皮層まで微細な穴を開けます。穴には熱が発生して収縮するため引き締まり、コラーゲンの生成も促されて肌のハリが出てきます。

水光注射

水光注射はヒアルロン酸やコラーゲンブースター製剤などを、極細針と専用の機械で肌に注入する方法です。韓国でみずみずしいハリと弾力のある肌を水光肌と言うため、水光注射と呼ばれています。

注入する薬剤の効果とともに、針を刺された後の傷が治る影響でコラーゲンが増生する効果があり、顔のたるみ改善へと働きます。

脂肪溶解輪郭注射

脂肪溶解輪郭注射は脂肪の代謝を早めて皮膚を引き締めるため、顔のたるみ改善に効果があります。植物や海藻を由来とするメディカルハーブを使うので安全性は高いです。

製剤を脂肪層に注射すると、脂肪を分解して体外に排出します。注射をした部分のみ効果が出るので、局所的なたるみの改善が可能です。二重アゴや頬の下部分におすすめします。

脂肪溶解輪郭注射では脂肪細胞そのものを分解して排出するため、脂肪細胞が再生せず元には戻りません。効果は半永久的です。

顔のたるみを改善するなら美容医療がおすすめ

顔のたるみを改善するために努力している方には、美容医療を取り入れるのをおすすめします。

顔のたるみを改善する方法は、自分で取り組めるものが多くあります。しかしセルフケアに多くの時間を費やしても自己流だから不安、間違った方法をしていることに気づかずなかなか効果を実感できないといった状態に陥る場合もあるでしょう。

美容医療は医学的な施術であるため、顔のたるみ改善に高い効果が期待できます。

顔のたるみを防ぐために気を付けること

顔のたるみにはさまざまな原因があります。たるみが始まっていない、たるんでいるのではと感じたばかりであれば、顔のたるみが発生するのを防ぐために気を付けていきましょう。

肌によい栄養素をバランスよく摂り、質のよい睡眠を心がけます。そして紫外線対策を行いつつも肌の保湿はしっかりおこなってください。

常にバランスのとれたよい姿勢を心がけ、表情筋を意識的に使うようにしましょう。

メイクでは隠せない顔のたるみを予防できると、いつまでも若々しくいられます。

まとめ

顔のたるみは肌のハリや弾力が低下すると出るもので、ほうれい線やフェイスラインのぼやけなど見た目で老けた印象を与えてしまいます。

顔がたるむ原因には乾燥や紫外線、筋力の低下、姿勢があり、改善策はこの原因に合わせて実施します。しかし、自己流のセルフケアではなかなか効果が出ない場合があるため、高い効果を期待できる美容医療の施術をおすすめします。

美容医療の施術には、体への負担が少ないものから大きいものまでいろいろあります。いつまでも自己流を続けるよりも、体への負担が少ないものから経験してみてはいかがでしょうか。

麹町皮ふ科・形成外科クリニック｜BIOTOPE CLINICでは「たるみ」への治療も行っております。
当院では上記治療の取り扱いがないものもありますが、ハイフ・ボルニューマ・水光注射・脂肪溶解輪郭注射・糸リフトなど施術が可能です。（各院によっても取り扱いがある治療が限られます。）

当院は経験豊富な医師・看護師が在籍しております。お顔のたるみでお悩みなら、ぜひ一度カウンセリングまでお越しくださいませ。

ハイフ

ボルニューマ

糸リフト

水光注射

脂肪溶解注射