- 【麹町皮ふ科・形成外科クリニック】(市ヶ谷/半蔵門/永田町/千代田区)
- 美容皮膚
- たるみ
- 頬のたるみの原因5層構造と治療法を解説|医師による改善方法
- たるみ
- お顔の治療
頬のたるみの原因5層構造と治療法を解説|医師による改善方法
2026.10.17
頬のたるみが起きる「5層構造」の仕組み
そんな悩みを抱えている方が、当院には多くいらっしゃる。手術は怖いけど何かしらやってみたい。
そんなみなさまに、たるみが起こるメカニズムとその予防法についてお伝えしていきます。

顔の皮膚は、単純に「皮膚が伸びている」わけではない。表面から骨に向かって、皮膚・皮下脂肪・SMAS(筋膜)・支持靭帯・骨という5つの層が連動して、顔の輪郭を保っている。
加齢によってこのいずれの層にも変化が生じ、複合的に頬のたるみが形成される。逆に言えば、どの層が主に変化しているかを把握することが、治療法を選ぶうえで重要な出発点になる。
頬がたるむ主な原因

コラーゲン・エラスチンの減少
皮膚のハリを保つコラーゲンは、加齢に伴い線維芽細胞の働きが低下するにつれて産生量が落ちていく。日本化粧品技術者会誌(2013年)に掲載された研究では、真皮のコラーゲン線維においてⅠ型とⅢ型の割合が加齢とともに変化し、しなやかさを担うⅢ型コラーゲンが特に減少することが示されている。このバランスの変化が、肌の復元力の低下につながる。
エラスチンも同様に減少し、皮膚が元の位置に戻る力が失われることで、皮膚層からのたるみが進む。
SMAS(表在性筋膜)のゆるみ
SMASとは、皮下脂肪と表情筋の間に広がる薄い膜状の組織のこと。顔全体の皮膚や脂肪を適切な位置に保つ支持構造として機能している。加齢によってこの筋膜が緩むと、上に載っている組織を支えきれなくなり、重力に引っ張られて頬全体が下垂してくる。
フェイスリフト手術がSMAS層へのアプローチを中心とする理由も、ここにある。
脂肪コンパートメントの変化
頬部の皮下脂肪は「コンパートメント(区画)」に分かれており、それぞれが独立した膜で区切られている。加齢とともに一部の区画では脂肪が萎縮してボリュームが減り、別の区画では下方に移動する。若いころに頬の高い位置にあった脂肪が口元方向へ落ちると、ほうれい線やマリオネットラインとして現れる。こめかみや目の下がこけて見えるのも、この脂肪の再分布が一因だ。
支持靭帯の弛緩
顔には「支持靭帯(リテイニングリガメント)」と呼ばれる細い線維組織が存在し、皮膚・筋膜・骨をつなぎ止めて各組織の位置を保っている。この靭帯も加齢によって弾力を失い、各層を支える力が低下する。靭帯がゆるむと組織は重力方向へ移動しやすくなり、たるみの進行を助長する。
骨の萎縮(骨性老化)
Allergan Beauty Japanが専門医への取材をもとにまとめた記事では、加齢に伴い骨の吸収スピードが形成を上回り骨密度が低下することで、顔の骨が萎縮し、その上の組織を支えられる面積が減ると解説されている。こめかみや頬骨まわりの骨が縮むと、皮膚や脂肪が余った状態でたるんでくる。女性では閉経後にエストロゲンの分泌が大きく低下することで骨吸収が進みやすくなり、この変化が加速しやすい。
加齢以外でたるみを進める要因

紫外線による「光老化」
肌の老化に大きく影響するのが紫外線ダメージだ。UVAは真皮層にまで到達し、コラーゲンを産生する線維芽細胞を直接傷つける。また、紫外線が活性酸素(ROS)の生成を促すと、コラーゲン分解酵素(MMP)の合成が促進され、既存のコラーゲン線維が分解される。この光老化のプロセスは、日々の紫外線対策がたるみ予防にも直結する理由のひとつだ。
生活習慣の影響
喫煙は皮膚の血流を低下させ、コラーゲン産生を妨げることが知られている。急激な体重減少は皮下脂肪が一気に失われるため、皮膚が余った状態になりたるみとして現れやすい。長時間のうつむき姿勢や同じ向きで寝る習慣も、長期的には顔の組織に影響を与えると指摘されている。
見落としがちなポイント—フェイシャルマッサージやエクササイズだけでは改善に限界がある

「表情筋を鍛えれば頬のたるみが治る」という情報を目にすることは多い。表情筋トレーニングは筋肉のボリュームアップにはつながるものの、すでに緩んだSMASや靭帯、萎縮した骨・脂肪コンパートメントの変化に直接作用する効果はない。
マッサージも血行促進としての意味はあるが、たるみの根本にある組織の変化を物理的に元の位置に戻す力はない。Allergan Beauty Japanの専門医解説記事でも、「セルフケアでたるみを目立たなくする効果は限定的で、根本改善には医師の診察を受けて個別に適した治療を選択することが重要」と述べられている。
セルフケアを習慣にすることに意味はあるが、「マッサージだけで頬のたるみが根本から改善できる」と期待しすぎると、治療開始のタイミングが遅れてしまうこともある。
頬のたるみを改善する治療の選択肢

美容医療でのたるみ治療には、アプローチする層も効果の深さも異なる選択肢が複数ある。まず全体像を比較しておきたい。
| 治療法 | 主なアプローチ層 | ダウンタイム目安 | 効果持続の目安 | 向いているたるみ度 |
|---|---|---|---|---|
| HIFU(ハイフ) | 真皮〜SMAS層 | ほぼなし | 6か月〜1年程度 | 軽度〜中等度 |
| 高周波RF治療 | 真皮〜皮下組織 | ほぼなし | 数か月〜半年程度 | 軽度〜中等度 |
| マイクロニードルRF(Morpheus8等) ※日本未承認 |
真皮〜深部皮下組織 | 数日〜1週間程度 | 数か月〜1年程度 | 中等度 |
| 糸リフト(スレッドリフト) | 皮下組織〜SMAS | 1〜2週間程度 | 1〜2年程度 | 中等度〜やや強め |
| ヒアルロン酸注入 | 皮下組織(ボリューム補正) | 数日程度 | 半年〜1年半程度 | ボリューム減少型のたるみ |
| フェイスリフト手術 | SMAS・全層 | 1〜2週間以上 | 数年以上 | 中等度〜重度 |
※ Morpheus8(モフィウス8)などのマイクロニードルRF機器は、医薬品医療機器等法上の日本国内における承認を取得していない未承認医療機器です(FDA認可取得済み)。使用にあたっては、医師から十分な説明を受けた上で判断していただく必要があります。
HIFU(高密度焦点式超音波)
超音波エネルギーを真皮からSMAS層に向けてピンポイントで届け、熱刺激によってコラーゲン産生を促すとともに組織を収縮・引き締める。メスを使わずダウンタイムがほぼないため、初めてたるみ治療を検討する方に選ばれやすい。一方、重度のたるみへの効果には限界があること、施術後2〜3か月かけて効果が出ることも理解しておきたい。
副作用として神経損傷や熱傷のリスクもあるため、経験豊富な医師のもとで受けることが前提になる。BIOTOPE CLINIC 白金でもHIFUの相談を受け付けている。
高周波RF(ラジオ波)治療
高周波エネルギーを皮下組織全体に伝達し、広範囲を加温してコラーゲン産生を促す。HIFUが特定の深さにピンポイント照射するのに対し、高周波RFは真皮から皮下組織にかけて面的に熱を届ける。BIOTOPE CLINIC 白金で導入している「ボルニューマ」も高周波RF技術を用いた機器のひとつで、頬のたるみや肌質改善が気になる方はカウンセリングでご相談いただける。
マイクロニードルRF(Morpheus8など)
微細な針(マイクロニードル)で真皮〜皮下組織まで刺した後、針先から高周波エネルギーを照射する。深部まで熱刺激が届くため、コラーゲン産生の促進と組織リモデリング効果が期待できる。ダウンタイムは数日〜1週間程度見ておく必要がある。冒頭に示したとおり日本国内未承認の医療機器であるため、受診前に必ず担当医に確認してほしい。
糸リフト(スレッドリフト)
コグ(返し)付きの吸収糸を皮下に挿入し、下垂した脂肪を物理的に引き上げて固定する方法。挿入された糸が刺激となってコラーゲン産生が促され、時間をかけて肌のハリも変化していく。効果の持続はおおよそ1〜2年が目安とされ、フェイスラインや頬のもたつきが目立つ方に向いているケースが多い。
ヒアルロン酸注入
加齢による脂肪の萎縮やボリュームロスが目立つ場合、ヒアルロン酸を注入して頬のボリュームを補正するアプローチが有効なことがある。皮膚を物理的に引き上げるというよりも、失ったボリュームを補うことでたるんで見える印象を和らげる方法だ。HIFU等の機器治療と組み合わせて用いるケースも多い。
フェイスリフト手術
SMAS層を直接操作してたるんだ組織を引き上げ、余った皮膚を切除する手術。中等度以上のたるみで持続した変化を求める場合、フェイスリフトが確実な選択肢のひとつになる。術後のダウンタイムや費用、リスクについては形成外科専門医と十分に相談したい。日本形成外科学会では形成外科専門医の情報を公開しており、医師選びの参考になる。
治療を選ぶ前に確認したいチェックリスト

- 自分のたるみが「皮膚のハリ低下」「脂肪の下垂」「ボリューム減少」のどれが主体かを把握しているか
- ダウンタイムが取れる時期かどうか確認したか
- 妊娠中・授乳中でないか(多くの機器治療・注入治療で禁忌または要注意)
- 体内に金属製インプラント・ペースメーカー・除細動器がないか(HIFU・高周波RFでは使用禁忌になる場合がある)
- 過去に顔の手術や注入治療を受けたことがあり、担当医に正確に伝えられるか
- 未承認機器を使用する場合、適応・リスク・代替の選択肢について医師から十分な説明を受けたか
- カウンセリング時に「なぜこの治療を勧めるか」「他の選択肢との違い」を確認したか
よくある質問
- Q. 頬のたるみはHIFUだけで改善できますか?
- HIFUは軽度〜中等度のたるみに有効な選択肢ですが、脂肪のボリューム減少が主体の場合はヒアルロン酸注入が向いていることもあり、より強いリフトアップが必要な場合は糸リフトや手術が適することもあります。どの治療が合うかは顔の状態によって異なるため、カウンセリングで実際に診てもらうことが先決です。
- Q. 何歳ごろからたるみ治療を始めるといいですか?
- 明確な年齢の基準はなく、自分がたるみを気にし始めたタイミングが相談のきっかけになります。30代後半〜40代でHIFUや高周波RF系の機器治療を取り入れるケースも多くあります。重度になってから治療するよりも、変化が始まった早めの段階でアプローチするほうが、状態を維持しやすい傾向があります。
- Q. 糸リフトとHIFUはどちらが効果的ですか?
- どちらが優れているとは一概には言えず、たるみの程度や原因によって適切な選択肢が変わります。中等度以上のたるみや物理的に引き上げたい場合は糸リフト、初めての治療やダウンタイムなしを希望する場合はHIFUが選ばれやすいです。複数の治療を組み合わせるケースも多くあります。
まとめ
頬のたるみは「皮膚が伸びる」だけの問題ではなく、コラーゲン・エラスチンの低下、SMASのゆるみ、脂肪コンパートメントの変化、支持靭帯の弛緩、骨の萎縮という5つの層が複合的に変化することで生まれる。紫外線や生活習慣がこの変化を加速させることもある。
セルフケアはあくまで補助的な役割であり、組織レベルの変化に対しては医療的なアプローチが有効だ。HIFU・高周波RF・糸リフト・ヒアルロン酸注入・フェイスリフト手術など、治療法によってアプローチする層も持続期間も異なるため、自分のたるみのタイプに合った選択が求められる。
気になる方はカウンセリングでご相談ください。麹町皮ふ科•形成外科クリニック、BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でも頬のたるみに関するご相談を承っています。
BIOTOPE CLINIC 白金へのご相談
気になる症状・治療法は、形成外科専門医・苅部医師にカウンセリングでご相談ください。お一人おひとりの肌・お悩みに合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
所在地: 東京都港区白金 / 監修: 苅部 淳 医師(形成外科専門医)
References
- 村上祐子ほか「加齢にともなうⅢ型コラーゲン/Ⅰ型コラーゲンの比率の減少メカニズム——Ⅲ型コラーゲンプロペプチド切断酵素meprinの加齢変化——」日本化粧品技術者会誌 47(4) 278–284, 2013 出典
- Allergan Beauty Japan「頬など顔のたるみを改善するには?意外と知らない原因と対策」出典
- Allergan Beauty Japan「HIFU(ハイフ)は顔のたるみに効く?効果や副作用を解説」出典
- Allergan Beauty Japan「顔のたるみやほうれい線…その原因は『骨』!? 意外と知られていない骨の老化」出典
- 日本形成外科学会 公式サイト 出典
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
苅部 淳 理事長の発信
関連クリニックの発信
Other関連記事

- 栄養療法
- お顔の治療
- 美容皮膚
- 男性のお悩み
男性のプラセンタ注射|疲労回復・薄毛・ED周辺で期待できる作用と限界を医師が解説
2026.10.19
男性のプラセンタ注射は、慢性肝疾患のラエンネック保険適用を除けば多くが自費・適応外使用です。疲労回復に期待できる作用と限界、男性更年期(LOH)のTRT・AGAのフィナステリド等・EDのPDE5阻害薬という第一選択との位置関係、2026年10月からの新しい献血基準までを、添付文書と各診療ガイドラインに基づきBIOTOPE CLINIC 白金の視点で整理しました。

- AGA
- 栄養療法
- お顔の治療
- 美容皮膚
女性のびまん性脱毛症|栄養療法と美容医療によるアプローチを医師が解説
2026.10.18
女性の薄毛(女性型脱毛症/FPHL)は男性AGAとは病態が異なり、フィナステリドやデュタステリドは女性禁忌です。日本皮膚科学会ガイドライン2017年版でミノキシジル外用が推奨度Aとなる根拠、鑑別すべき甲状腺・貧血・産後脱毛、栄養面からの補完的アプローチと更年期との関係、BIOTOPE CLINIC 白金の統合的な診療の流れを、皮膚科医と栄養療法の視点で整理しました。

- 栄養療法
- お顔の治療
- 美容皮膚
フェリチンが低いと肌荒れは治らない?血液検査で分かる美容の土台を医師が解説
2026.10.18
「化粧品でよくならない肌荒れ」の背景に、鉄・フェリチン不足が関わっていることがあります。日本鉄バイオサイエンス学会の診断基準(フェリチン12ng/mL未満)、いわゆる隠れ貧血、日本人の食事摂取基準2025年版での鉄まわりの大改訂、そして「フェリチン◯以上必要」といった数値ゴールの限界と、鉄剤・サプリ過剰摂取のリスク、月経過多や消化管疾患などの背景鑑別の重要性を、BIOTOPE CLINIC 白金の視点で整理しました。
Categoryカテゴリー
Archiveアーカイブ
- 2026年10月 (16)
- 2026年9月 (27)
- 2026年8月 (21)
- 2026年7月 (21)
- 2026年6月 (40)
- 2026年5月 (4)
- 2025年11月 (13)
- 2025年8月 (4)
- 2025年7月 (5)
- 2025年6月 (1)
- 2025年5月 (4)
- 2025年4月 (6)
- 2025年3月 (8)
- 2025年2月 (11)
- 2025年1月 (8)
- 2024年12月 (12)
- 2024年11月 (3)
- 2024年10月 (6)
- 2024年9月 (13)
- 2024年8月 (2)
- 2024年5月 (1)
- 2023年11月 (1)
- 2023年2月 (7)
- 2023年1月 (5)
- 2022年12月 (11)
- 2022年11月 (10)
- 2022年10月 (3)
- 2022年9月 (3)
- 2022年8月 (2)
- 2022年7月 (3)
- 2022年6月 (7)
- 2022年4月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2020年9月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年5月 (1)
- 2020年4月 (2)
- 2020年2月 (1)
- 2020年1月 (1)
- 2018年3月 (3)
- 2018年2月 (3)

