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傷跡修正手術の費用・方法とダウンタイムを解説
2026.06.09
傷跡修正手術とは?方法・費用・ダウンタイムを医師監修で解説
手術後の傷跡、ケガの跡、帝王切開の瘢痕、にきびの跡……。「目立たなくしたいけれど、どうすればいいのかわからない」「また手術が必要なの?」と不安を抱えながら検索している方は少なくありません。傷跡は身体的なコンプレックスになるだけでなく、衣服や日常動作への支障、心理的なストレスとなるケースもあります。
この記事では、傷跡修正の主な方法・手術の仕組み・期待できる変化・ダウンタイム・費用の目安・向いている人と向かない人・よくある疑問まで、形成外科専門医の知識を踏まえてわかりやすく解説します。これを読むことで、傷跡修正の選択肢と治療の流れを整理し、次のステップを検討するための判断材料が得られます。
- 傷跡修正にはどんな方法(手術・レーザーなど)があるか
- 手術で修正できる傷跡の種類と、期待できる改善効果
- ダウンタイムや副作用の目安
- 費用相場と保険適用の考え方
- 向いている人・向かない人のポイントと、よくある誤解
傷跡修正とは──なぜ傷は残るのか、治療でどこまで改善できるか
皮膚が深く傷つくと、身体は「コラーゲンを急いで埋める」修復反応を起こします。この急造コラーゲンは正常な皮膚組織とは繊維の向きや密度が異なるため、色・硬さ・凹凸といった”傷跡”として残ります。傷跡は完全にゼロにはできませんが、形成外科的なアプローチによって「より目立ちにくい状態」に整えることが期待できます。
傷跡修正とは、残存する瘢痕(はんこん)の形・硬さ・色・大きさを改善するための医療的処置の総称です。切除して縫い直す外科手術から、レーザー・高周波機器・注射などの非侵襲的な処置まで、傷跡の種類や状態によって選択肢が異なります。
傷跡の種類と特徴
平坦な瘢痕(白色瘢痕・成熟瘢痕)は、時間の経過とともに赤みが落ち着き、白っぽく平坦になったもの。見た目は比較的目立ちにくいですが、色素の差が気になる場合があります。
肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)は、傷の範囲内で赤く盛り上がった状態。痒みや痛みを伴うこともあります。ケロイドは、傷の範囲を超えて周囲に広がる瘢痕で、体質が強く影響します。どちらも形成外科の専門的な判断が重要です。
陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)は、皮下組織まで傷が及んだことで皮膚が凹む状態。にきび跡のクレーターや、事故・手術後の凹みなどが代表例です。
傷跡修正の主な方法と仕組み
傷跡修正の方法は大きく「外科的治療(手術)」と「非外科的治療(レーザー・機器・注射など)」に分かれます。状態に応じてこれらを組み合わせることも多くあります。
| 方法 | 主な適応 | ダウンタイム目安 | 費用目安(自費) | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 切除縫合(瘢痕切除術) | 幅広・凸凹・肥厚性瘢痕 | 1〜2週間(抜糸まで) | 3万〜20万円程度 | 大きく形状が悪い傷跡 |
| Z形成術・W形成術 | 引きつれ・方向が問題な瘢痕 | 1〜2週間 | 5万〜25万円程度 | 関節部・顔の引きつれ |
| CO2フラクショナルレーザー | 陥凹性・凸凹・毛穴・にきび跡 | 3〜7日(赤み) | 1万〜6万円程度/回 | 比較的浅い凹凸がある傷跡 |
| ピコレーザー | 色素沈着・茶色い傷跡 | 1〜3日 | 1万〜4万円程度/回 | 色むら・色素が目立つ傷跡 |
| Morpheus8(高周波ニードル) | 陥凹・凸凹・硬化した瘢痕 | 3〜7日(赤み・むくみ) | 5万〜15万円程度/回 | コラーゲン再構築を促したい方 |
| ステロイド注射・注射療法 | 肥厚性瘢痕・ケロイド | ほぼなし〜数日 | 5,000〜3万円程度/回 | 盛り上がり・硬さを抑えたい方 |
| ヒアルロン酸注射 | 陥凹性瘢痕のボリューム補填 | 1〜3日(内出血) | 3万〜10万円程度 | 凹みを即効的に目立たなくしたい方 |
外科手術(切除・形成術)の仕組み
瘢痕切除術は、傷跡部分を丁寧に切り取り、張力を分散させながら細い糸で縫い直す方法です。単純に切るだけでなく、皮下の層ごとに段階的に縫合することで、より細く目立ちにくい線状の傷跡に整えることが期待できます。
Z形成術・W形成術は、傷跡の方向を変えたり、直線を波状に変えたりすることで、皮膚の引きつれを改善したり、光の反射で目立ちにくくしたりする技法です。関節周囲の拘縮(引きつれ)にも有効とされています。
レーザー・機器治療の仕組み
CO2フラクショナルレーザーは、皮膚に微細な熱の柱(コラム)を無数に作り、周囲の正常組織から修復を促すことで、凹凸や硬化した瘢痕組織をリモデリング(再構築)する効果が期待されます。Morpheus8(高周波ニードル)は、微細な針で真皮深層に高周波エネルギーを届け、コラーゲン産生を刺激する治療で、陥凹性の傷跡や硬化した瘢痕の改善に用いられます。臨床現場で見ていると、Z形成術のような従来の形成術と、これらのレーザー・機器治療を組み合わせることで、より良好な結果を期待できるケースが多くあります。
苅部医師のコメント
外来で多く相談を受けるのは「傷跡を完全に消したい」というご希望です。正直にお伝えすると、傷跡を解剖学的に完全に消すことは現時点の医療では難しいのですが、「日常生活で気にならないくらい目立ちにくくする」ことは十分に目指せます。大切なのは傷跡の種類・部位・年齢・体質を総合的に判断して、最適な組み合わせを選ぶことです。一つの方法だけにこだわらず、段階的にアプローチするケースも多くあります。
傷跡修正で期待できる効果・変化
傷跡修正治療によって期待できる主な変化は、①傷跡の幅や面積の縮小、②凸凹・盛り上がりの平坦化、③色素沈着・赤みの改善、④引きつれや硬さの緩和、の4点です。ただし、どこまで改善するかは傷跡の状態・体質・治癒力によって個人差があります。
国際的な形成外科の研究では、Z形成術やW形成術による瘢痕拘縮の改善率は高く、特に関節部位の拘縮に対して機能的な回復も期待できるとされています。また、CO2フラクショナルレーザーを用いた陥凹性瘢痕の複数回照射では、多くの被験者で凹凸の視覚的改善が報告されています(詳細はReferencesを参照)。
一方で、ケロイド体質の方は外科手術後に再びケロイドが形成されるリスクがあるため、ステロイド注射・放射線療法・シリコンジェルシートとの組み合わせ管理が推奨されることがあります。これも形成外科専門医による丁寧な評価が重要なポイントです。
ダウンタイムと副作用・リスク
外科手術のダウンタイム
切除縫合・形成術の場合、抜糸まで通常7〜14日程度かかります。その間は患部を濡らさないよう注意が必要で、テープ固定や軟膏処置が続きます。術後数か月は赤みや硬さが残ることがありますが、半年〜1年かけて徐々に落ち着いていくことが多いです。
レーザー・機器治療のダウンタイム
CO2フラクショナルレーザーでは照射後3〜7日程度、赤みや軽度の腫れが続くことがあります。Morpheus8(高周波ニードル)では施術後3〜7日間、赤みや針跡が目立つ場合があります。ピコレーザーは比較的ダウンタイムが短く、翌日からメイクが可能なケースが多いです。
主なリスクと注意点
外科手術の主なリスクとして、感染・縫合糸の反応・傷跡の再拡大・色素沈着・再発などが挙げられます。レーザー治療では、色素沈着・炎症後色素沈着(PIH)・まれに感染のリスクがあります。いずれも担当医師の術前・術後指示をしっかり守ることが改善への近道です。
向いている人・向かない人
傷跡修正手術・治療が向いている方
- 手術・外傷・やけどなどによる目立つ線状の瘢痕がある方
- にきびや水痘(みずぼうそう)跡のクレーター状の凹みが気になる方
- 帝王切開や開腹手術後の瘢痕(肥厚性瘢痕)が硬く盛り上がっている方
- 傷跡の引きつれ(拘縮)で動きに支障を感じる方
- 形成が安定してから(目安:受傷・手術から6か月〜1年以上経過している方)
慎重な判断が必要な方
- ケロイド体質の強い方(再発リスクがあるため、総合的な管理計画が必要)
- 傷跡が形成途中(受傷・手術から6か月未満)の方
- 妊娠中・授乳中の方(治療の種類によって制限あり)
- 糖尿病・血液凝固異常など創傷治癒に影響する基礎疾患がある方
- 過度な期待(「完全に消えること」)を持ちすぎている方(カウンセリングで十分な説明が必要)
傷跡修正の費用の目安と保険適用について
傷跡修正は、「機能障害を伴う場合」や「外傷・手術に起因する拘縮の治療」など、医学的必要性が認められる場合に健康保険が適用されるケースがあります。一方、審美目的(見た目の改善のみ)が主な場合は自由診療(自費)となることが多いです。
保険適用の可否はケースバイケースのため、受診時に担当医師に相談することをおすすめします。自費治療の場合、一般的な費用の目安は上記の比較表を参考にしてください。複数回の施術が必要な場合はトータルコストの確認も重要です。
術後経過観察で実感したのは、患者さまの「まずは相談してみたい」という想いが治療開始への第一歩になるということです。当院の外来では、「病院でやった手術の傷跡をきれいにしたい」「長年気になっていたけれど費用や方法がわからなかった」というご相談が増えています。カウンセリングでは費用・回数・方法を含めて丁寧にご説明しています。
よくある誤解と見落としがちなポイント
誤解①「傷跡修正すれば完全に消える」
傷跡修正治療で「傷を完全にゼロにする」ことは、現在の医療技術では難しいとされています。正確には「より目立ちにくい状態に整える」「機能的な拘縮を改善する」ことが目標となります。治療前にリアルな改善の見通しを担当医師としっかり確認することが大切です。
誤解②「傷跡ができたらすぐ手術で修正できる」
瘢痕組織は受傷後から約6か月〜1年かけて徐々に成熟・安定します。この成熟が終わる前に手術すると、修正した部分が再び目立つ傷跡になりやすいため、一般的には「傷の成熟を待ってから治療を検討する」ことが推奨されています。急いで処置したいお気持ちはよくわかりますが、まずは形成外科専門医に時期のご相談をされることをおすすめします。
よくある質問
- Q. 傷跡修正手術は保険が使えますか?
- 傷跡による機能障害(引きつれで関節が動かしにくい、など)がある場合は健康保険の適用となることがあります。ただし、見た目の改善のみを目的とした場合は自由診療(自費)となるケースが多いです。適用可否は診察・診断の内容によって異なりますので、まずはカウンセリングでご相談ください。
- Q. 手術とレーザー、どちらを選べばよいですか?
- 傷跡の種類・大きさ・深さ・部位によって最適な方法は異なります。盛り上がりや幅が大きい場合は手術、色素沈着や軽度の凹凸にはレーザーや機器治療が向いていることが多いです。組み合わせが効果的なケースもあるため、形成外科専門医による診察・判断が重要です。
- Q. 傷跡修正の治療は何回くらい必要ですか?
- 外科手術は1〜数回が目安ですが、レーザーや機器治療は3〜6回以上の複数回照射が必要なことが多いです。傷跡の状態・使用する機器・個人の治癒力によって異なるため、カウンセリング時にトータルの回数・期間の目安をご確認ください。
まとめ
傷跡修正には、外科的な切除・形成術からレーザー・高周波機器・注射療法まで、さまざまな選択肢があります。傷跡の種類・状態・体質・部位によって最適な方法が異なるため、形成外科専門医による丁寧な診察・評価が治療の第一歩です。
「傷を完全に消すことはできないが、より目立ちにくくすることは期待できる」というのが現実的な見通しです。焦らず傷の成熟を見極めながら、長期的な計画で取り組むことが大切です。
傷跡のお悩みは、一人で抱え込まずにぜひ専門医にご相談ください。気になる方はカウンセリングでご相談ください。BIOTOPE CLINIC 白金(港区白金)でも、日本形成外科学会形成外科専門医の苅部医師が傷跡修正に関するご相談を承っています。
参考情報・出典
- PubMed (National Library of Medicine) — 世界最大の医学文献データベース
- 日本美容外科学会(JSAPS) — 美容外科専門医の認定団体
- ISAPS国際美容外科学会 — 国際的な美容外科学会の統計・指針
- 厚生労働省 医療広告ガイドライン — 医療広告の規制
監修医師
苅部 淳
Karibe Jun
理事長
略 歴
資 格
受 賞
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を保証するものではありません。気になる症状・お悩みがある場合は専門医にご相談ください。
参考:日本美容外科学会(JSAPS)/日本皮膚科学会
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