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ピアスのトラブルは皮膚科?何科にいけばいいの?徹底解説

2025.05.20

性別に関係なく、ファッションアイテムとして取り入れる機会の多いピアス。

しかし、正しく使用していないと、トラブルが発生する可能性があります。
ピアストラブルが起きた際、「何科に行けばいいの?」「どんな治療をするの?」と疑問や不安に思う場合があるかもしれません。

そこで本記事では、ピアスを付けることで発生するトラブルや治療法、対処法などについて解説します。
ピアスを付ける機会のある方は、ぜひ参考にしてください。


ピアスのトラブル

まずは、ピアスを付けることで発生するトラブルについて紹介します。主なトラブルは、以下の通りです。

アレルギー性接触性皮膚炎
ピアスホールの損傷
ピアスが寝具にかかり起こる炎症
消毒薬による炎症
ピアスの埋没
ピアスホールの裂傷(耳垂裂)
ピアスホールに出来るシコリ

それぞれ、詳しく解説します。

アレルギー性接触性皮膚炎

ピアスホールの穴を開けて3週間ほど経過しても分泌物が治らず、赤みやかゆみなどが発生した場合、使用しているピアスによるアレルギー性接触性皮膚炎が起きたことになります。

アレルギー性接触性皮膚炎は、使用しているピアスの金属が、長時間皮膚の内部と接触したために発生します。
特に、ニッケルやクロム、コバルトなどを使用しているピアスに多い傾向です。

ピアスホールの損傷

ピアスホールに新しいピアスを挿入する際、新しいピアスの尖端でピアスホールの壁を傷つけて炎症が発生します。
無理して装着を続けると、さらに症状が悪化するため注意が必要です。

ピアスホールの損傷ができないためには、十分なピアスホールが完成するまでの3ヶ月間は「ファーストピアス」を装着し続ける必要があります。

また、ピアスを取り替える時に、自分で付けずに家族や友人に挿入してもらうこともおすすめです。
挿入する場合は、耳たぶを少し外側に引っ張ると良いでしょう。

ピアスが寝具にかかり起こる炎症

横向きに寝ていて寝具がピアスに引っかかってしまうと、ピアスがホールの中で移動して、ホールが傷つく場合があります。
起床時に枕や布団などに血液が付着していたり、ピアスホールがひりひりしていたりしたら、炎症が起きた可能性が高いです。
寝る前に、ピアスをテープやカットバンなどで覆うことで予防できます。

消毒薬による炎症

市販されているピアスホールキットには、ピアスを挿入したあとに使用する消毒液が入っています。
消毒液を頻繁に使用すると、かぶれてしまう可能性があります。

消毒液は細菌に対しての働きがありますが、正常な皮膚にも損傷を与えるのです。
ホールから皮膚の中に消毒液が浸透すると、炎症が強くなる可能性があります。

炎症を発生させないためには、水道水に浸した綿棒でホールの前後を綺麗に吹いたり、入浴時にシャワーのお湯で洗い流したりすると良いでしょう。
炎症が強くなってしまった場合は、一旦ピアスを取り外してください。

ピアスの埋没

ピアスの埋没は、ピアスを付けたまま寝てしまった場合に発生しやすいトラブルです。
横向きに寝てピアスが圧迫されたり、キャッチを押し込みすぎて、耳たぶがピアスのヘッドとキャッチに挟まれた状態になったりすることが原因になります。

また、厚い耳たぶに対して短いピンのピアスを使用することで、ピアスが埋没してしまう可能性もあります。
耳たぶが厚い人は、ロングタイプのピアスを購入することがおすすめです。

医療機関でピアスホールを開ける場合は、耳たぶの厚さを測定するため心配する必要はないでしょう。

ピアスホールの裂傷(耳垂裂)

ピアスホールの裂傷(耳垂裂)は、急性の場合と陳旧性の場合の2種類があります。
それぞれ原因が異なるので、紹介していきます。

急性のピアスホールの裂傷

ピアスホールの場所が耳たぶのふちに近すぎる場合や、ピアスが洋服などに引っかかった勢いで穴が裂けた場合が原因です。

特に、セーターを脱ぐ場合に発生しやすいため、注意が必要です。

陳旧性のピアスホールの裂傷

重みのあるリング状のピアスや、装飾が多いぶら下げタイプのピアスなどを使い続けることが原因になります。
ピアスホールが少しずつ耳たぶのふちの方に広がって、裂けてしまうのです。

ピアスホールをたくさん開けている方の場合、それがすべて裂けてしまいます。

予防するには、飾りの多いピアスの使用を避けたり、重いピアスの使用を避けたり、ピアスホールを耳たぶのふち周辺に空けないようにしたりすることが重要です。

ピアスホールに出来るシコリ

ピアスホールに出来るシコリは、リンパ球様腫瘤、表皮嚢腫、ケロイドの3種類です。
それぞれ詳しい症状や原因が異なるので、紹介します。

リンパ球様腫瘤

リンパ球陽腫瘤は、アレルギー性接触性皮膚炎が長期間続くことで発生します。
リンパ球様腫瘤は、はじめは皮膚の中だけに存在しますが、次第に表面にも表れます。

そのまま放置すると、少しずつ大きくなるので注意が必要です。自然になくなる場合もありますが、長期間症状が続く場合は、治療が必要になります。

表皮嚢腫

表皮嚢腫とは、周囲が壁で覆われた袋状の構造物である「嚢腫」がピアスホールに発生することです。
嚢腫の壁と表皮の細胞は同じで、どろどろした角質となっています。

嚢腫を圧迫すると、ピアスホールから白くてどろどろとした内容物が排出される可能性が高いです。
表皮嚢腫は、表皮細胞が真皮あるいは皮下組織内に入り込むことで発生します。

原因としては、ピアッシングの際の衝撃やピアスを入れる際にピアスホールを傷付けること、使用しなくなったピアスホールの一部が塞がらずに残ってしまうことなどが挙げられます。

ケロイド

ケロイドとは、ケガや手術痕が硬くなって、赤く盛り上がった状態です。
ピアッシングも外傷のひとつなので、ケロイドになる可能性があります。

ケロイドは、ケロイドになりやすい体質である「ケロイド体質」の方に発生することが多い傾向です。
ケロイド体質の場合は、ピアスを開けることは避けましょう。

また、ケロイド体質でばい方でも、ピアスホールの状態が良くないまま放置していると、炎症が慢性化してケロイドが発生する場合があります
金属アレルギーによる症状と似ていることから、見分けがつかない場合があるため、少しでも気になるときは医師へ相談しましょう。


ピアストラブルは何科?

ピアストラブルが発生した場合は、基本的に皮膚科の受診がおすすめです。
皮膚科では、炎症や化膿、痛み、埋没などさまざまなトラブルへ対応できます。

ただし、ピアスを専門としている場合と、そうでない場合があるため、注意が必要です。
治療を優先してピアスを外す場合があれば、ピアスホールを維持したまま治療する医師もいます。

ピアスを残したいと考えている場合は、自分の希望をしっかりと伝えましょう。
しかし、状態や体調によっては難しい場合があるため、納得のいく説明をしてくれる病院やクリニックを選ぶことがおすすめです。

また、肥大化してしまったしこりは、形成外科で切除が必要になります。
形成外科は、しこりやケロイドを切ったり縫ったりする複雑な手術が得意です。
美容外科であれば形成外科医がいるため、相談することが可能です。
ただし、ピアスホールを維持したまま治療できるかどうかは、カウンセリングの際に確認する必要があります。


ピアストラブルの治療法

ピアストラブルの治療法は、トラブルの種類によって異なり、以下の表の通りです。

ピアストラブルの種類 治療法
アレルギー性接触性皮膚炎 ・ステロイド外用薬を塗って治療します。

・かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬、症状が強い場合はステロイド薬の飲み薬が必要になる場合があります。

ピアスホールの損傷 ・抗生物質の内服薬や外用薬
ピアスが寝具にかかり起こる炎症 ・抗生物質の内服薬や外用薬

・軟膏

・シリコンチューブ

消毒薬による炎症 ・抗生物質の内服薬や外用薬

・軟膏

・シリコンチューブ

ピアスの埋没 ・局所麻酔をして、埋没したピアスを取り出します。

・ピアスホールの一部を切開して取り出す場合もあります。ピアスホールを残したい場合は、傷付いたホールが回復するまでシリコンチューブを入れることが必要です。

急性のピアスホールの裂傷 ・手術
陳旧性のピアスホールの裂傷 ・裂けている穴の両サイドの皮膚を切り取り、縫い合わせて治療をします。
リンパ球陽腫瘤 ・長期間ある場合は、摘出術の適応となります。手術は局所麻酔下で行われます。
表皮嚢腫 ・手術によって、嚢腫壁を完全に除去します。
ケロイド ・外用薬

・内服薬

・ステロイドの局所注射

・ケロイド圧迫用のイヤリング

・手術

症状によって適している治療法は異なりますので、治療を受けたい場合はクリニックに相談しましょう。


ピアストラブルの治療は保険適用になるのか

ピアストラブルの治療は、場合によって保険適用になるかどうかが異なります。
シリコンドレーンの挿入やしこりの摘出手術、しこりのステロイド手術、耳垂裂の手術を受ける場合は、保険適用です。

その他の治療は、保険適用外で自費となる可能性が高いです。


ピアストラブルの治療でかかる費用

保険適用になる治療方法と料金の一覧は、以下の表の通りです。

治療方法 症状 料金
シリコンドレーンの挿入 ピアスホール周囲の痛みや腫れ、膿 約4,000〜6,000円
しこりの摘出手術 ピアスホール部分の大きめなしこり 約13,500〜23,000円
しこりのステロイド手術 ピアスホール部分のしこり(手術を希望しない場合) 初診:約1,000円

再診:約500円

耳垂裂の手術 ピアスによって耳が裂けた 約35,000円

(※保険3割負担の場合)

上記はあくまでも目安のため、症状や数によって前後します。
また、保険適用外の治療はクリニックによって異なります。具体的な料金を知りたい場合は、治療を受けるクリニックへ問い合わせてください。


ピアストラブルが起きた時の対処法

ピアストラブルが起きた時の対処法は、以下の通りです。
どのような症状が起きた場合も共通になるので、頭に入れておくようにしましょう。

触らない

痛みやかゆみの症状があるとつい触ってしまいそうですが、ピアストラブルが起きた時に触りすぎることは厳禁です。
ピアスを必要以上に触ってしまうと、その分細菌が入って、化膿などの2次トラブルが発生する可能性があるためです。

消毒したり、ピアスを着けたり外したりするなど、触らなければいけない場合は、必ず手を洗って清潔な状態で触りましょう。

お風呂で洗浄する

ピアストラブルが起きた時と起きていない時に関わらず、ピアスホールは毎日お風呂で洗浄しましょう。
ピアスホールは、手や足などの他の体のパーツと同じように、日々汚れが溜まってしまいます。

ピアスホールは小さくくぼんでいるため、気をつけて洗浄しないと汚れが落ちていない場合があります。
お風呂に入ったら、石鹸や洗顔フォームの泡をピアスホールにそっと乗せて、痛みがなければピアスをくるくると回しましょう。
その後、シャワーで丁寧に泡を流したら洗浄完了です。

負担の少ないピアスに変更する

ピアストラブルの原因のひとつは、着けているピアスが合っていない場合です。
ピアストラブルが起きたら、着けているピアスの重さや素材、内径を確認しましょう。

・重さ→軽いピアスに変更しましょう
・素材→アレルギー対応の肌に優しい素材に変更しましょう
・内径→軸の長さが短すぎる場合は、長めのピアスに変更しましょう。

病院やクリニックに行く

上記の対処法を試しても症状が改善しない場合や、激しい痛みがある場合、どのように処置すれば分からない場合などは、病院やクリニックへ行きましょう。
前述した通り、基本的には皮膚科の受診がおすすめです。


ピアスのトラブルでお困りなら、麹町皮ふ科・形成外科クリニック|BIOTOPE CLINICへ一度ご相談ください

今回は、ピアストラブルの種類や治療法、対処法などについて紹介しました。
ピアスをつける場合は、普段から正しい使い方をすることが重要です。もしピアストラブルが発生してしまったら、病院やクリニックへ受診しましょう。受診する場合は、皮膚科もしくは形成外科への受診がおすすめです。

麹町皮ふ科・形成外科クリニック|BIOTOPE CLINICでは、ピアストラブルの治療を行っています。電話や公式サイト、公式LINEなどから予約することが可能です。ピアストラブル以外の美容医療も提供していますので、お気軽に問い合わせてください。

監修医師

苅部 淳Karibe Jun理事長

苅部 淳 日本形成外科学会形成外科専門医
略 歴
順天堂大学医学部卒業
東京大学附属病院形成外科 入局
埼玉医大総合医療センター 形成外科・美容外科 助教
福島県立医大付属病院 形成外科
寿泉堂総合病院 形成外科
山梨大学附属病院形成外科 助教・医局長
東京大学附属病院 精神科
専 門
日本形成外科学会形成外科専門医
日本抗加齢学会専門医
日本医師会認定産業医
専門分野
形成外科一般、マイクロサージャリー、リンパ管吻合術、乳房再建術、性適合手術、美容外科手術、静脈瘤、レーザー治療など。
美容外科手術、レーザー、ボトックス、ヒアルロン酸等
大手美容外科クリニックで長年にわたり研鑽を積み、形成外科専門医として医師の診療、指導にあたっている。

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